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【ストロボ使い方】ファッション誌のような室内ポートレートを自宅で撮る方法

 2017/09/04 ストロボ 撮影機材   90,315 Views

ストロボを使うとファッション誌のようなポートレートを部屋で撮ることができます。蛍光灯などの部屋の照明だけだと、どうしても素人っぽい写真になってしまいますが、ストロボを上手く使うと見違えるようなポートレートを撮ることができます。

この記事ではポートレート専門のプロカメラマンが室内でポートレート撮影を行うときのストロボ活用法をお伝えします。室内のストロボ撮影を極めれば、ご家族の記念写真を自宅で撮ることもできますし、美容師さんなら自分のお店でヘアスタイルの作品を撮れちゃいますよ。

※ 撮影 中村路人
※ モデル 森園れん

ストロボの当て方でポートレートは劇的に変わる!

ストロボで室内ポートレートといっても、どうやって撮ればいいかわからないと思います。

そこですべての撮影の基本となる、メインライトの考え方を解説します。この基本を覚えておけば、あとはプラスアルファを加えるだけで、いろんなバリエーションを撮る事ができますよ。

こちらはストロボを(1)カメラ直付けで直接当てた場合(2)カメラ直付けで天井バウンスで当てた場合(3)ワイヤレスで斜め45度から当てた場合、を比較した写真です。

(比較1)ストロボをカメラ直付けで直接当てた場合

ストロボをカメラに装着して人物に直接当てるとこのような写真になります。カメラの内蔵ストロボで撮影しても同じような結果ですね。

ストロボの光が直接当たるので硬い光となるので、人物の肌の質感が失われて平面的に写ってしまいます。さらに人物の背後に不自然な強い影ができるので、素人っぽい写真になってしまいます。せっかくストロボを使うのであれば、少し工夫するだけで全然違う写真になりますよ。

ストロボを直に当てると不自然な影ができる

(比較2)ストロボをカメラ直付けで天井バウンスで当てた場合

カメラ直付けでもストロボの角度を天井に向けるだけで撮れる写真は大きく変わります、いわゆる天井バウンスですね。先ほどのストロボの光を直接当てた場合に比べて、人物の肌の質感がキレイに表現されて、不自然な影がなくなっています。

天井バウンスでライティングが自然になる

天井バウンスで十分綺麗に撮れるのですが、惜しいのは光が天井から当たるので首の下に少し影ができてしまうことです。また天井が白い素材でないとこの天井バウンスができません。

撮影機材がクリップオンストロボ1灯しか準備できない場合はこの撮影方法でも大丈夫ですが、もうひと工夫することで、どんな状況でも作品性をグッと高めたポートレートを撮れるようになりますよ。

(比較3)オフカメラストロボで斜め45度から当てた場合

次にストロボをカメラから離してオフカメラ(ワイヤレス発光)で、ストロボの光を人物の斜め45度上から当てます。ストロボ用のスタンドがあると便利ですが、カメラ用の三脚でも代用できますよ。

このままストロボの光を直接人物に当てると(1)のように不自然な強い影ができるので、アイテムを使って光を柔らかくします。オフストロボで光を柔らかくするのに最適な機材は傘(アンブレラ)です。ストロボの光を傘の内側に当ててることで、傘に反射して広がった光が人物に当たります。この方法は傘バウンスとも呼ばれる、ストロボ撮影ではよく使われる方法です。傘バウンスは大げさに見えますが、安価ですぐに準備ができて効果バツグン!といいことだらけなので、ぜひ試してみてください。

人物の斜め45°から当てるのが基本

傘バウンスで人物の斜め45度からストロボの光を当てて撮影した写真がこちらです。(2)天井バウンスに比べて肌の立体感が表現できています。

斜め45°からストロボの光を当てた作例

(1)(2)(3)を比較したのがこちらです。斜め45度から当てた写真が最も自然でキレイですね。

室内ポートレートで準備したい機材

室内のモデルポートレートの基本は、オフストロボで斜め45度から当てることです。クリップオンストロボ1灯しか持っていない方は(2)の天井バウンスしか撮れませんが、機材を少し追加することで室内ポートレートの写真は劇的に変わります。

以降で解説するライティングに必要な機材を紹介します。いずれも数千円から1万円で購入できるので、少しづつ機材を増やしてみるといいですね。

ストロボをカメラから離して固定するためのスタンドです。

スタンドに傘(アンブレラ)を取り付けるためのアダプターです。

雨傘用途で売られていますが三脚にストロボとストロボ用のアンブレラを取り付けられます

ストロボの光を反射して光を柔らかくする傘(アンブレラ)です。

背景に使うバックペーパーです。様々な柄が用意されているので、好きなものを選びましょう。

プロのストロボをステップ・バイ・ステップで徹底解説!

ここから、実際に使える室内モデルポートレートのライティングをステップ・バイ・ステップで紹介します。いずれもストロボをカメラから離して使うオフストロボが基本です。

Step1 オフカメラストロボ+天井バウンス

ストロボ以外のライティング機材が用意できない場合、オフカメラ(ワイヤレス発光)で天井バウンスが一番カンタンなライティングです。カメラのシューに直付けでもよいのですが、ストロボをカメラから離して光を天井に斜め方向から当てることで、ポートレートの立体感を表現できます。

天井バウンスがカンタン

Step2 オフカメラストロボ+天井バウンス+レフ板

次のステップとして白い素材のレフ板を使ってみます。レフ板がない場合は、大きい白い紙や白い壁でも代用できます。今回も背景に使える大きい白い紙をレフ板代わりに使いました。

レフ板を置く場所はストロボと反対方向です。こうすることで、ストロボの光が天井→レフ板→人物の順に反射するので、ストロボと逆方向に光を当てることができます。

すると、人物の右側が明るくなるので、より自然な写真に仕上がります。よく見ると、眼にレフ板の白が写り込んで眼が輝いているようにも見えます。

ストロボと反対方向にレフ板を配置

レフ板でより自然な仕上がりになる

ライティングの基本は不自然な影を出さないことです。このようにストロボと別方向から反射光を当てることで、より自然な光の条件を作ることができます。光がまんべんなく当たっている状態を「光がまわる」といいます。

Step3 オフカメラストロボ+傘バウンス+レフ板

次に、天井バウンスから傘を使った傘バウンスに変更します。天井バウンスは天井が白い素材でないと使えないので、この方法だとどんなシチュエーションでも使うことができます。

天井バウンスと傘バウンスを比較したのがこちらです。天井バウンスに比べて斜め方向から光が直接当たるので、立体感を表現できています。レフ板があるおかげで、ストロボの逆方向も明るくなっていますね。

天井バウンスを斜め45°の傘バウンスに変更

斜め45°のライティングで立体感が生まれる

Step4 オフストロボ+傘バウンス×2灯+レフ板

最後に応用編です。モデルのヘアスタイルを美しく表現するために、天井方向から光を当てるのが効果的です。そこで、オフストロボ+傘バウンスをもう1灯準備して人物の背後に配置します。そして人物の頭方向に後ろからストロボの光を当てます。

比較したものがこちらです。アクセントとなるストロボ光のおかげで、モデルの頭にツヤが出ることがわかります。

上からの1灯で髪にツヤが生まれる

Step5 オフストロボ+傘バウンス×2灯+ディフューズ+レフ板+バックペーパー

最後に室内モデルポートレートの完成度をもっと高めてみましょう。ポイントはバックペーパーを使うことです。

バックペーパーは大きめの紙や布でできた撮影道具です。白、黒、青などの単色や、花柄、レンガ調など様々な模様もあります。「バックペーパー」「背景紙」「背景布」でウェブ検索するとたくさん見つかります。

バックペーパーを固定するスタンドがあると便利なのですが、なくても壁に直接貼り付ければ大丈夫です。人物1人の撮影なら小さめのバックペーパーでも十分ですね。

今回は模様柄の布を壁に直接貼り付けました。背景をボカして撮影するので、多少シワがあってもそれほど目立たないので大丈夫です。

またメインのストロボ光をさらに自然な雰囲気にするために、傘バウンスと人物の間にトレーシングペーパーを配置しました。

撮影した作品がこちらです。ディフューズの効果でさらに自然な仕上がりになっていることがわかります。またバックペーパーの演出も効果的ですね。

ディフューズと背景で雰囲気が柔らかくなった

基本のストロボライティングでいろんな作品を撮ってみよう

今回紹介した「天井バウンス」「斜め45度から傘バウンス」を使えば室内のいろんなシチュエーションで撮ることができます。背景や小物を組み合わせて、様々なストロボ撮影を楽しんでくださいね。

今回の室内ストロボ撮影をはじめ、様々なストロボの活用事例を紹介しています。

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