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【おすすめ三脚】一眼レフ向け失敗しない選び方とプロ厳選の1本を解説します

 2018/08/07 三脚   284,466 Views

三脚選びで写真の腕がバレるって本当?「三脚を買おうかな」とお店に出かけると、品数の多さに驚くと思います。三脚選びはとても奥深く、理想の1本に出会うまで何本も買い換える方もいらっしゃいます。

ここでは何十本もの三脚を使い倒したプロカメラマンが本気でおすすめする最強の三脚を紹介します。

三脚選びで写真の腕がバレるって本当?

三脚を買うべき理由でもお伝えしましたが、一眼レフの撮影でちゃんとした作品を撮るために、三脚は欠かせないアイテムです。

撮影現場でたまに目にするのが、一眼レフ、レンズ、三脚のバランスが間違っているケースです。例えばハイアマチュア向けのどっしり重い一眼レフに、これまた重量級の望遠レンズを装着しておきながら、数千円くらいのグラグラする三脚を使っている方もいらっしゃいます。

貧弱な三脚に重いカメラを付けている写真

「三脚を見るとその人の写真の腕がわかる」とも言われています。三脚は一度買ったら何年も使い続けるアイテムです。一眼レフのわずかなブレを抑えて、貴重なシャッターチャンスを確実に捉えるために、間違いのない三脚を選びましょう。

三脚選びは「安定性」と「持ち運びやすさ」のトレードオフ

三脚選びで重視すべきは「安定性」と「持ち運びやすさ」です。たいていこの2つはトレードオフの関係になっています。

三脚はカメラをブラさないための道具なので、「安定性」がなにより大事です。ところが「安定性」のよい三脚は重く大きいので「持ち運びやすさ」が犠牲になります。

一眼レフを持って山登りや街歩きを楽しもうとしたときに、大きくて重たい三脚を担がないといけないのは気が重くなりますよね。しっかりした三脚を買っても、使う機会がないと無駄になってしまいます。

イメージカット、三脚は安定性と持ち運びやすさが大事

ここでは幅広いシーンで使える「安定性」と「持ち運びやすさ」を兼ね備えた、最強の三脚を紹介します。

結論の前に、まず三脚の選び方をお伝えします。

三脚選び(1)|「安定性」の決め手は「耐荷重」より「パイプ径」

三脚選びで真っ先に決めたいのが「パイプ径」です。

三脚選びの記事やカタログを読むと「耐荷重」という項目がよく出てきます。耐荷重とは「○○kgまで安定して固定できます」という数値です。耐荷重は安定性を数字で判断できるので便利なのですが、自分のカメラとレンズを組み合わせると何kgになるのか?またどれだけ耐荷重に余裕を持てばよいか?を考えると、意外と扱いにくい数字です。

そこで「安定性」のわかりやすい判断基準が「パイプ径」です。パイプ径とは三脚の棒の太さです。当然太いほうが「安定性」はよくなりますが、重くなるので「持ち運びやすさ」が低下します。

パイプ径の解説写真

一眼レフを本格的に始める方におすすめしたい基準が、パイプ径25mmの三脚です。

パイプ径25mmの三脚なら、一眼レフに望遠レンズを装着して、ブレやすい夜景をスローシャッターで撮影しても安定して撮影できます。三脚自体もそれほど重くならないので持ち運びも便利です。初めて三脚を購入される方はパイプ径25mmを基準に三脚を比較すると違いがわかりやすいでしょう。

お持ちのカメラがミラーレスカメラの場合、もう少し細いパイプ径22mmの三脚でも大丈夫です。

パイプ径25mmの三脚に比べて安定性が落ちるので、例えば300mmの望遠レンズをつかってスローシャッターで撮影するとブレる可能性があります。パイプ径25mmに比べて軽く持ち運びに便利なので、女性の方や旅行用の三脚としておすすめです。

パイプ径25mmの三脚より一段上の三脚としてパイプ径28mmの三脚をおすすめします。

重量級の一眼レフと望遠レンズを装着しても、しっかり安定して撮影することができます。25mmに比べて多少重く感じるので、車で機材と一緒に移動できる方におすすめです。

三脚のパイプ径と特徴の一覧表

初心者ほど太くて安定した三脚をおすすめします。その理由として、上級者はカメラ操作を熟知しているので、こういうシーンではどう撮ればブレを抑えられるか?を熟知しています。したがって上級者は細めの三脚でもブレを撮影技術でカバーできます。

ところが初心者の方はブレに対する経験が少ないので、思わぬ操作ミスでブレブレ写真の失敗をやりがちです。そういう意味で、初心者ほど太くて安定した三脚をおすすめします。

三脚選び(2)|「持ち運びやすさ」の決め手は「段数」

三脚の「パイプ径」が決まったら、次は三脚の「段数」を決めましょう。

三脚の脚は3つか4つの棒がつながってできています。使わないときは脚を縮めることでコンパクトに収納できます。

この棒の「継ぎ目」の数が「段数」です。この「段数」をいくつにするか?で三脚の「安定性」と「持ち運びやすさ」が決まります。

三脚段数の解説画像

一眼レフ向けの三脚でよく使われるのが、段数が3段または4段の三脚です。違いは「安定と操作性の3段」と「持ち運びやすさの4段」と覚えておくと良いでしょう。

3段のメリットは安定性です、4段に比べて一番下の脚の太さが太いので、安定しています。また三脚を立てるときと収納するときに、緩めて締める動作が1回少ないので、すばやく操作できます。また締める場所が少ないということは、締め忘れて三脚がスルスルと縮んでしまう失敗リスクも少なくなりますね。

3段のデメリットは収納性です。4段に比べて収納したときの寸法が長いので、例えば小さいサイズのコインロッカーに入らない!など収納場所が気になるかもしれません。

4段のメリットとデメリットは3段の逆ですね。3段に比べてコンパクトに収納できることがメリットです。三脚をカメラバッグに取り付けるときもバッグの寸法からハミ出ることが少ないので、混雑した電車でも他の人に迷惑をかけることが少なくなります。

一方で、3段に比べて一番下の脚の太さが細いので、安定性が劣ってしまいます。感覚的には3段と4段の安定性の違いは、パイプ径の3mmに相当すると思います。

3段と4段の三脚の比較図、同じパイプ径の三脚で3段と4段の全体像、収納時の長さ、一番下の太さを比較

脚のロック方法としてナット式とレバー式があります。ナット式はネジのように回転して三脚の脚を緩めたり固定する方法です。レバー式は文字通りレバーで三脚の脚を固定したり緩めます。

一眼レフ向けの本格的な三脚ではほとんどがナット式です。レバー式は安価な三脚以外ほとんど見かけません。バネで脚を固定するので、固定する力が弱く安定性に欠けたり、持ち運ぶ際に引っかかりやすいといった欠点があります。

ナット式とレバー式の写真

三脚選び(3)|「素材」今は「カーボン」一択の時代

ここまで三脚選びの大事なポイント、「パイプ径」と「段数」について見てきました。

次は三脚の「素材」です。一眼レフ向けの三脚には「アルミ製」と「カーボン製」の2つがあります。

一眼レフ向け三脚の素材としては「カーボン製」のほうが優れています。まず軽いこと、同じ太さの三脚を手にとって比べたとき、アルミ製とカーボン製の重さは全然違います。

またカーボン製は振動が収まりやすいことや、寒冷地で使用してもアルミほど冷たくならないというメリットがあります。

少し前までカーボン製は高価なためアルミ製の三脚が主流でしたが、最近ではアルミ製の三脚が減ってリーズナブルなカーボン製が主流になっています。

したがって、これから三脚を購入するならカーボン製を選んでおくとよいでしょう。

アルミとカーボンの比較図

はじめての三脚選びはパイプ径28mm、4段、カーボン製がおすすめ

三脚選びのポイント「パイプ径」「段数」「素材」はご理解いただけましたか?

はじめて三脚を購入される方は、最初の1本目は安定性重視で持ち運びしやすい三脚をおすすめします。なぜなら、しっかり安定した三脚を使うことで、三脚の効果「三脚を使うことで写真撮影がやりやすくなる!」を実感することができます。すると安定性の基準ができるので、2本目、3本目を選びやすくなります。

そういう意味で、はじめての三脚は「パイプ径 28mm、4段、カーボン」の条件を満たす三脚をおすすめします。パイプ径28mmの安定性で、ハイアマチュア向けの一眼レフと300mmの望遠レンズの組み合わせでも、スローシャッターでしっかり撮ることができます。多少風が強くても安定して撮ることができるでしょう。

パイプ径28mm、4段、カーボン製の三脚写真

パイプ径28mmなので多少太く感じますが、4段収納で縮めたときのコンパクトさとカーボンの軽さで、カメラバッグに取り付けて持ち運びやすいサイズと重量です。

この三脚をじっくり使い込んで、三脚の使い方に慣れてくださいね。その上で、パイプ径22mm+4段の旅行用三脚を追加購入すると、バリエーションが増えて三脚を使った撮影をより楽しむことができますよ。

次は、具体的なおすすめ三脚の紹介の前に、重要パーツの「雲台」について解説します。

三脚の超重要パーツ「雲台」の基本を抑えよう

雲台とは三脚とカメラを取り付ける部分のことです。つい見落としがちですが、雲台はカメラを直接固定する大事なパーツです。せっかく安定した三脚を使っても、雲台がショボいと三脚の性能を落としてしまいます。

雲台の拡大図

快適な三脚ライフのために、三脚の脚だけでなく、雲台にもぜひこだわることをおすすめします。

あまり知られていませんが、実は三脚の脚と雲台は取り外して交換できます。雲台にもいくつか種類があるので、自分のお気にいりの雲台に取り替えたり、シーンに合わせて使い分けることもできますよ。

雲台と三脚を取り外して交換した図

雲台は大きく分けて3つのタイプがあります。写真撮影に使われる3Way雲台、自由雲台、ビデオ撮影に使われるビデオ用雲台です。

3Way雲台、自由雲台、ビデオ雲台

3way雲台は縦、横、斜めの3つの方向にそれぞれ個別に回転できる雲台です。3つの固定ネジがあり、通常は1つを緩めて他の2つを固定して、1方向ずつアングルを調整します。

3Way雲台の写真

3Way雲台は風景撮影やテーブルフォトのように、時間をかけてじっくりと構図を追い込めるシチュエーションに向いています。縦、横、斜めの1つだけを調整できるので、微妙な画面整理がやりやすいことが特徴です。

3Way雲台の欠点はかさばることです。たいていパーン棒という調整ネジを回す部品が飛び出ているので、バッグに収納するときにじゃまになったり、三脚の収納ケースに入れるときにパーン棒をわざわざ外さないといけないことがあります。

自由雲台は調整ネジが1つで、カメラの角度を自由にグリグリ動かせることが特徴です。3Way雲台に比べて調整ネジの数が1つしかないので、素早くカメラを固定して撮影することができます。また3Way雲台に比べてコンパクトなので、収納もやりやすいメリットがあります。

自由雲台の写真

一方で、3Way雲台に比べてちょっとした誤差で画面整理をやり直さないといけないことがあったりと、構図を少しずつ追い込むことが難しいデメリットがあります。

ビデオ雲台は動画撮影用の三脚です。動画撮影ではパンといって画面を上下左右になめらかに動かす動作があります。ビデオ用雲台はオイルリュードという角度をなめらかに動かす機構が入っています。ただし、構造上カメラを縦位置に固定することができないため、一眼レフの静止画撮影にははっきり言って向いていません。

ビデオ雲台の写真

ということで、はじめて三脚を購入するときは、安定性と画面整理のやりやすさから3Way雲台をおすすめします。2本目の三脚として旅行用を考えるなら自由雲台でもいいかもしれませんね。

見落としがちな、カメラと雲台の固定方法にも要注目

雲台とカメラを取り付ける方法も注意が必要です。ネジ式、クイックシューの2つがあります。

ネジ式は最もシンプルな方法です。一眼レフの底面にある三脚用のネジ穴に雲台のネジを差し込んでネジを回して固定します。三脚用のネジ穴があればどんなカメラでも、カメラ以外の機材でも取り付けられるので、汎用性が高い方法です。

雲台 ネジ式

クイックシューはシューと呼ばれる部品をあらかじめカメラの三脚穴に取りつけ、カメラと雲台をレバーで固定する方法です。ネジ式に比べてレバーを引くだけで取り付け取り外しができるので、とっさに三脚を使いたい場合に便利です。

クイックシュー

ただしクイックシューはあまりおすすめできません。その理由は、シューを忘れたり無くすとカメラを三脚に取り付けることが一切できなくなるので、三脚がただの重たい棒になってしまいます。

旅行先でシューを忘れたり、夜景の撮影でシューを無くしたりすると、撮影が台無しになってしまいます。またシューの形状が雲台によってまちまちなので、カメラと三脚が複数に増えてくると管理だけでも大変です。

クイックシューの中でも、アルカスイスという方式があります。ハイアマチュアやプロカメラマンがよく使っている方法です。

アルカスイスは高性能の雲台を販売しているメーカーです。アルカスイスの特徴は、ツマミを回すだけでカメラと雲台がしっかり固定される手軽さと、様々なメーカーから手頃で使い勝手の良い互換品がたくさん販売されていることです。例えばL字ブラケットという機材を使うと、構図を動かさずにカメラを横位置から縦位置に変えることができます。

雲台を取り替えるだけで三脚の使い勝手は大きく変わります。三脚の使い方に慣れたらアルカスイス互換の製品なども調べてみると面白いですよ。

最強の三脚選びは「GITZO」と「SLIK ライトカーボン」

さておまたせしました。ここまで三脚と雲台の選び方をお伝えしてきましたが、いよいよプロカメラマンがおすすめする最強三脚の紹介です。

三脚は長持ちするように見えますが、実は消耗品です。長く使い込んでいるとガタが生じてきます。ヘビーに使う方なら5年で買い替えることもあります。
ここでは予算に合わせて「10万円の一生モノ」「5万円の本格タイプ」の2つを紹介します。

一生モノの三脚「GITZO 三脚 マウンテニア 2型 カーボン 4段 GT2542」

プロカメラマンが愛用する世界最強の三脚メーカーGITZO(ジッツオ)のパイプ径29mm、4段、カーボン三脚です。GITZOの特徴はとにかく丈夫で壊れないことです。

10万円オーバーですが、20年使い込んでもビクともしない堅牢さで、まさに一生付き合える三脚ですね。

国内メーカーの安心感「SLIK 三脚 カーボンマスター E84」「3way雲台」

国内メーカーSLIK(スリック)の28mm、4段、カーボン三脚です。国内メーカーなので故障やトラブルのサポートを頼れる安心感があります。
性能も軽くて操作性もよく、プロカメラマンが使いこんでも5年間は問題ない品質です。

この三脚はお手頃価格でよいのですが、セットでついてくる雲台がシュー方式なのが惜しいです。

このままでも問題なく使うことはできますが、シューを無くすのが嫌な方はネジ式の3way雲台を別に購入して、雲台を取り換えるのをおすすめします。

一見、無駄に見えますがこの雲台は他メーカーの三脚でも使いまわしができるので、持っておくと色々便利ですよ。

旅行や持ち運び重視なら「SLIK ライトカーボン E74」

同じく国内メーカー「SKIL」の25mm、4段、カーボン三脚です。パイプ径が25mmとバランスの良い太さで、旅行など持ち運びが多い場合はこちらが便利です。
同じ脚で雲台が「3Way+クイックシュー」のモデルも販売されています。旅行用なら自由雲台がかさばらずに便利なので、三脚は脚のみを購入して、雲台は別に購入することも可能です。

三脚の正しい使い方を紹介します

お気に入りの三脚が見つかりましたか?

せっかくちゃんとした三脚を購入しても、使い方を間違えると写真が台無しになってしまいます。

こちらの記事では、正しい三脚の使い方と、プロが実践する使いこなしのコツをお伝えしています。

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