紅葉の撮り方(構図編)ワンランク上の紅葉写真を撮れる構図テクニック
色鮮やかな紅葉写真を撮る!構図編では実際に使える構図テクニックを紹介します。
基礎編では「逆光の透過光」を狙って中望遠レンズでシンプルに切り取る、という限られたシチュエーションを解説しました。
この構図編では、広角から望遠まで様々なレンズを使って、いろんなシチュエーションに応用できる撮り方を紹介します。
風景写真で悩むのは構図ですよね?どこをどう切り取れば絵になるのか?全然わからない方もいると思います。
構図はバランス感覚というセンスに関係しますが、構図のセオリーを知っておくと楽に構図をまとめることができます。
構図の基本について、おさらいしたい方はこちらの記事をご覧ください。
Contents
紅葉ではなく枝の配置に注目しよう
紅葉の色鮮やかさに目を奪われてしまいがちですが、紅葉写真の構図をうまくまとめるには木の枝に注目するのがポイントです。
木の枝は写真に撮ると見た目以上に存在感があります。せっかく美しい紅葉を撮っても、枝の配置がバラバラだとまとまりのない写真になってしまいます。
そこで、枝の方向に注目して枝をバランスよく配置してみましょう。今まで以上に写真がスッキリと見えますよ。
この項目では、カンタンに木の枝をバランスよく配置できる3つのパターンを紹介します。
紅葉の枝をななめ方向に配置する構図
まず枝を画面のななめ方向に配置した作品です。このように、ななめの一方向に枝を揃えて配置すると、枝の配置に沿って写真を見た人の視線を誘導することができます。その結果、画面がスッキリしてまとまった印象を与えることができます。
紅葉の枝を三角に配置する構図
次に使える構図テクニックは枝を三角に配置するパターンです。
木々をよく観察すると三角形を描いている場所を見つけることができます。この三角構図はいろんなシチュエーションに使える構図で、写真を観た人に安定感を感じさせます。雑然とした林なのに、なぜか落ち着いて写真がまとまっていると思いませんか?
紅葉の枝をリズムに配置する構図
ななめ、三角ときたら、次はリズム配置です。これは規則的に枝を配置するパターンですね。あまり画面に余計な枝を入れずに、望遠ズームレンズなどで切り取ると画面をまとめやすいでしょう。
応用例として、このように落ち葉を使って斜めのリズムを作ることもできますよ。
大きなボケ構図で紅葉を浮かび上がらせよう
次はボケ構図です。基礎編では背景のボケを紹介しましたが、ここでは前ボケも加えることで前ボケと後ボケで主役の紅葉を挟み込む構図です。
いわゆるボケのサンドイッチですね。
この構図は被写界深度の浅い望遠レンズが便利です。また主ピントを合わせる主役の紅葉はキレイで目立つものを選ぶようにしましょう。
この作例ではボケに加えてよい光の条件で撮影しています。主役の紅葉にちょうど木漏れ日が差し込んで、前後のボケと比べて明るくなっています。その結果、主役の紅葉がより浮かび上がる構図に仕上がっています。
望遠レンズで遠くの紅葉を大胆に切り取ろう
枝のリズムに似ていますが、遠くの山に紅葉した木が規則正しく並んでいたら望遠レンズで切り取ってみるといいでしょう。
その時、規則の中に一つだけ規則はずれをワンポイントとして入れてあげると、主役の紅葉をより引き立たせることができます。
このとき、遠くの紅葉にどんな光が当たっているか?を観察してみましょう。昼間のフラットな光でもよいのですが、朝夕のサイド光の方が紅葉を印象的に浮かび上がらせてくれることがあります。
撮るものが無かったら上を見上げてみよう
紅葉は頭の上にも広がっています。撮るものがないな…、と思ったら頭の上を見上げてみましょう。上を向きながらの撮影なので、くれぐれも足元には注意してくださいね。
基礎編で紹介した、紅葉の色が鮮やかに見える逆光の透過光の応用ですね。
頭の上の紅葉を撮る時は、広角レンズを使ってみましょう。余計な邪魔者が入らないように、枝の配置と紅葉のバランスを考えて構図を決めてみてください。
このとき、紅葉の色のバランスに気を配ってみましょう。赤と黄色、緑が画面の中をどのように占めるか?を意識すると画面をまとめやすくなりますよ。
ファインダーを覗きながら、カメラの角度を変えたり、赤と黄色の占める割合を変えてみたり、いろんな撮り方を試してみましょう。
建物の中から額縁構図で紅葉を撮ってみよう
日本の伝統的な建物と紅葉はベストマッチの被写体です。お寺の中に入ることができたら、ぜひ縁側や窓から紅葉を見ることができるか確認しましょう。
もしキレイな紅葉を見つけることができたらラッキーです。建物の内部を額縁のように配置して、そこから紅葉を覗き見る構図で撮ってみましょう。
いわゆる額縁構図です。額縁の効果で写真を観た人の視線が中央の紅葉に集中するので、紅葉をより印象的に見せることができます。
このとき大切なのは、露出を外の紅葉に合わせることです。もし屋内に露出を合わせてしまうと、主役の紅葉が明るくなりすぎて白っぽく写ってしまいます。露出の基本は主役に合わせることを覚えておきましょう。
撮影時に屋外と屋内の露出が上手く合わない場合は、RAWで撮っておいてRAW現像で明るさを調整するとよいでしょう。RAW現像はハイライト(明るい部分)とシャドウ(暗い部分)の明るさをかなり柔軟に調整することができます。
足元の紅葉を探してみよう
秋も深まると落葉がはじまって、木々の紅葉が少なくなってきます。でも諦めるのはまだ早いですよ、これからが落ち葉を撮るチャンスです。
足元を見ると、色とりどりの落ち葉が落ちていると思います。この中から、形のキレイな落ち葉を見つけて、落ち葉の演出を楽しんでみてください。
カメラの高さを地面から10cm以下まで下げると、ローアングル構図の効果が顕著に出ます。背面液晶の角度を変えられるカメラならライブビュー機能をうまく使うと撮りやすいですね。
レンズは望遠レンズより広角レンズの方が、ローアングルの効果が得られるのでおすすめです。広角レンズは主役に近づけば近づくほどインパクトのある写真を撮れるので、ピントが合うギリギリまで近づいてみましょう。
紅葉の落ち葉は光の条件で全然違った表情を見せます。木漏れ日が差し込んだ落ち葉を狙うと、ドラマチックな紅葉写真を撮ることができます。
また、雨に濡れた落ち葉もよい被写体です。紅葉の落ち葉は雨上がりのしっとりした質感がマッチします。雨が降った後はいい雰囲気の落ち葉が無いか探してみるとよいでしょう。露出補正を少しアンダー目にしてしっとり落ち着いた雰囲気で狙ってみましょう。
広角レンズで木の幹に大胆に迫ってみよう
最初の方にお伝えしましたが、紅葉写真では木の幹や枝を使って画面をまとめることがポイントです。
「うまくまとめられる枝がないな~」と思ったら、広角レンズを使って近くの木の幹にくっついて撮ってみましょう。
広角レンズの誇張効果で近くの幹が迫力ある木に見えて、遠くにある紅葉との遠近感を感じさせる構図になりますよ。
このとき、力強く面白い形状の幹を見つけられると、よりインパクトの強い紅葉写真になりますよ。
まとめ
いかがでしたか?こちらで紹介した構図テクニックを使うことで、紅葉写真のバリーションがかなり広がったのではないでしょうか?
次の応用編では、より表現力のある紅葉写真を創るために、紅葉と様々なものを組み合わせた撮り方を紹介します。