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紅葉の撮り方(基本編)初心者でも色鮮やかな紅葉写真を撮れる3つのコツ

秋といえば、紅葉のシーズンですね。今年こそ色鮮やかな紅葉を撮りたい!と思っているのに、なかなか思ったように撮れない…と悩んでいませんか?

ここでは、色鮮やかで表現力豊かな紅葉作品を創るコツを順番にお伝えします。今年の紅葉シーズンはワンランク上の作品づくりに挑戦しましょう!

この記事でこのような写真が撮れます!

失敗する紅葉写真に共通する理由とは?

「うわぁ、キレイ!」と思わずシャッターを押しても、ごちゃごちゃして何を撮りたかったかわからない…。そんな経験はありませんか?

よくある紅葉の失敗写真

紅葉を撮りに出かけても

「どのように切り取ればいいかわからない・・・」
「紅葉の鮮やかな色が出ない・・・」
「目で見た印象と、パソコンで見る画像が違う・・・」

と悩んだことはありませんか?

実は、紅葉は身近な被写体にもかかわらず、「見た印象」と「撮った写真」のギャップがとても大きい、難易度の高い被写体です。

その理由は「主役が明確でない」からです。

例えば、朝日・夕日の写真は「太陽」が主役です。ポートレートは「モデル」が主役です。一方で、紅葉は「色づいた葉の集まり」というように、何を主役にすればいいかわからない、という特徴があります。

紅葉は主役の決め方がポイント!

これが、紅葉撮影において「どう切り取ればいいかわからない」「パッとしない写真になる」理由です。

主役は誰?カメラを構える前に、一番キレイな紅葉を探してみよう

「これいいな」という紅葉を見つけたら、まず撮影するポイントを絞り込みましょう。

初心者の場合、紅葉全体を撮るより、対象を絞り込んだほうが主役が明確になって作品力がアップします。

例えば「色づいた木々」より「キレイなモミジの葉っぱ」まで絞り込むと、何を撮りたいか?がわかりやすくなります。

紅葉写真の第一歩は主役をシンプルに切り取ること

主役を絞り込んでシンプルに切り取ることを考えた場合、初心者におすすめなのは中望遠のズームレンズです。

風景写真では広い画角を撮れる広角レンズが良く使われますが、広い画角を上手く収めるのは意外と難しいのです。

構図に自信がない場合は、遠くを撮れる中望遠のレンズの方が主役を切り取りやすいのでおすすめです。もし中望遠のレンズがない場合は、標準ズームレンズの望遠側でも大丈夫ですよ。

紅葉写真が広角レンズより中望遠ズームレンズがおすすめ

では次から、色鮮やかな紅葉写真を撮るための3つのポイントについて解説します。

紅葉を色鮮やかに撮る3つのポイント

逆光を選んで透過光で紅葉を撮ろう

紅葉の撮影ポイントを見つけるために、まず光の向きを見てみましょう。

普段、光の向きって意識しないと思いますが、「プロはまず光を見る」というくらい、風景撮影ではとても重要なポイントです。

光の向きには、紅葉の正面から当たる「順光」、紅葉の横から当たる「サイド光」、紅葉の後ろから当たる「逆光」の3つがあります。

光の向き3パターン

順光は紅葉がクッキリ撮れる光の条件です。カメラ任せで撮影しても眼で見たとおりに撮れてしまう光の向きです。一見、撮影向きの光に思えますが、紅葉そのもののクオリティが問われることと、普通の風景に写りがちなので、作品として仕上げるには技術が必要な条件です。

サイド光は紅葉の横から光が当たるので、光源の反対側に影ができます。この影は紅葉に立体感を生みます。すると、順光に比べて印象的な写真に仕上がりやすくなるので、紅葉撮影に向いた光と言えます。朝夕の時間帯は太陽が低く紅葉にサイドから光が当たりやすくなります。紅葉を撮るなら朝夕の時間帯がおすすめです。

初心者に絶対おすすめなのが逆光です。逆光の見つけ方は簡単で、光が当たっている紅葉を見つけたら、葉っぱの下に潜り込んで、下から見上げるだけです。すると、太陽の光が葉っぱに透けて鮮やかな色になっていることがわかります。この葉っぱを透けて見える光を透過光といいます。透過光は余計な反射がない純粋な色なので、色鮮やかに見えるというわけです。

正面から見ると黒ずんでイマイチな紅葉でも、逆光の透過光で撮ると、びっくりするほど鮮やかに見えるので、紅葉シーズンのはじまりから終わり頃まで安定して作品作りができます。

順光の紅葉の写真

逆光の紅葉の写真

逆光の撮影では、露出に気をつける必要があります。露出については具体的に次の項目で解説しますね。

色鮮やかな紅葉写真を撮るポイント「逆光の透過光」

露出補正でイメージ通りの明るさを表現しよう

色鮮やかな紅葉写真を撮るには、写真の明るさつまり露出がとても大事です。例えば露出を変えたこちらの作品をご覧ください。

ハイキーとローキーの露出で撮った紅葉の写真

このように、露出を変えることで紅葉写真の印象を全然変えることができます。

露出が±0.5EV違うだけで、紅葉写真の印象は全く違ってきます。露出補正を丁寧に行って何枚もシャッターを押し、紅葉が最も鮮やかに見える露出まで追い込んで見ましょう。

露出補正を細かに行った紅葉の写真

特に、逆光の透過光では露出補正が欠かせません。逆光で撮ると、カメラは被写体が明るいと判断して写真を暗く撮ろうとします。すると肝心な紅葉が黒く影になった写真になりがちです。

逆光で黒く沈んだ紅葉の写真とプラス露出補正で明るくなった紅葉の写真

そこで、露出補正をプラスに補正します。紅葉が画面のどれほどを占めるかによりますが、補正値を+1EV、+2EV、+3EVまで変えて変化を見てみましょう。

「逆光の透過光」で露出補正をプラス補正するだけで、驚くほど色鮮やかな紅葉写真が撮れることがわかりますね。

背景を選んで主役の紅葉を浮かび上がらせよう

「逆光の透過光」+「露出補正」で色鮮やかな紅葉を簡単に撮れるようになったと思います。次に、この紅葉写真の仕上がりをワンランクアップする方法を解説します。

それは、背景を選んで主役の紅葉を浮かび上がらせる方法です。

写真にとって、背景はとても大切です。せっかく素晴らしい紅葉を見つけても、背景がごちゃごちゃしていたら紅葉の魅力を十分に引き出すことができません。

一方で背景をシンプルに選ぶだけで、色鮮やかな紅葉をより美しく魅力的に写すことができます。

背景を変えた紅葉の写真比較

背景の選び方には3つのパターンがあります。「ボカす」「空で白くする」「影で黒くする」です。

「ボカす」はピントを手前の紅葉に合わせて、背景をボカして目立たなくする方法です。背景をボカしやすい一眼レフならではの撮り方ですね。どんなシチュエーションでも使えるので、便利な撮り方です。

背景のボケ方は被写界深度で決まります。被写界深度を浅くしてボケやすくするために、f値(絞り値)をレンズの開放F値に合わせましょう。レンズは100mm以上の望遠レンズやマクロレンズを使うとよいでしょう。逆に35mm以下の広角レンズを使うとボケにくいので気をつけましょう。

また遠くの紅葉にピントを合わせるより、手前の紅葉に合わせたほうが、背景をよりボカすことができます。

中望遠レンズで背景をボカした紅葉写真

中望遠レンズで背景をボカした紅葉写真

中望遠レンズで背景をボカした紅葉写真

「ボカす」の応用例が玉ボケです。木漏れ日がキラキラ輝くシチュエーションでボカす方法で撮ると、木漏れ日が丸い玉ボケとして表現できます。玉ボケはレンズによって現れ方が異なるので、手持ちのレンズをいろいろ試してみましょう。

背景を玉ボケで撮った紅葉写真

背景を玉ボケで撮った紅葉写真

「空で白くする」「影で黒くする」はカメラが捉えられる明暗差を利用した撮影方法です。

「空で白くする」は背景に空が見えるように撮る方法です。

空で背景を白くした紅葉写真

空で背景を白くした紅葉写真

空で背景を白くした紅葉写真

同様に「影で黒くする」は林の影の部分のように、主役に対して暗い部分を背景にする撮り方です。いずれも中途半端に余計なものが写り込まないように、背景を選ぶようにしましょう。

影で背景を黒くした紅葉写真

影で背景を黒くした紅葉写真

影で背景を黒くした紅葉写真

いずれも露出補正は「紅葉が美しく見える露出」が基本です。その結果、明暗差が大きい空や影の部分は勝手に白くとんだり黒くつぶれます。このとき、カメラのヒストグラムを見ると、白トビ黒つぶれが表示されることがあります。

ヒストグラムでは白とびが表示される

白トビ黒つぶれは一般的な風景写真ではよくないと言われていますが、あまり型にとらわれる必要はありません。表現方法の一つとして覚えておくといいでしょう。

色鮮やかな紅葉写真を撮るポイント「逆光の透過光」「露出補正」「背景」

ホワイトバランスで紅葉の雰囲気を変えてみよう

ここまで、初心者でも簡単に鮮やかな紅葉写真を撮れる方法をお伝えしました。このポイントだけで紅葉写真がかなり見違えたのではないでしょうか?

ここからは、紅葉写真に自分らしいアレンジを加えるための方法をお伝えします。

まず写真の印象を大きく変えるホワイトバランスについて解説します。

ホワイトバランスは写真の色味を調整して、写真の雰囲気を変える機能です。おおまかに言うと、忠実に風景を再現するか、暖かでふんわりした雰囲気か、クールで締まった雰囲気か、を選ぶことができます。

紅葉写真でよく使うホワイトバランスは、「太陽光」「曇天」「蛍光灯」の3つです。それぞれ、次のように写真の雰囲気が変わることがわかります。

ホワイトバランス 太陽光、曇天、蛍光灯で雰囲気を変えた 紅葉写真

おすすめのホワイトバランス設定として、まず太陽光を使って目で見た紅葉をしっかり写真に収めることから始めてみましょう。そのうち「もう少し違ったふうに撮りたい」と表現したくなるときが来るので、そのときにホワイトバランスを変えてみるとよいでしょう。

できれば画像の保存形式はRAW形式を選んでおくことをおすすめします。RAW形式はJPEG形式に比べて画像1枚あたりのファイルサイズが大きくなりますが、ホワイトバランスや次に述べるピクチャースタイルを撮影後にいくらでも変えることができます。

撮影時は光の向きや露出補正をしっかり追い込んで、写真の雰囲気などの微調整は自宅のパソコンでゆっくり調整することができます。

風景写真においてRAW現像は欠かせないテクニックですので、ぜひ早い段階で習得することをおすすめします。

ホワイトバランスはRAW現像で変えられる

ピクチャースタイルでより鮮やかな色を表現しよう

ホワイトバランスで紅葉写真の表現の幅がずいぶん広がりましたね。

次に、カメラのピクチャースタイル(ニコンはピクチャーコントロール)を紹介します。カメラメーカーによって呼び方が異なるので、ご自身のカメラに合わせて読み進めてくださいね。

・キヤノン … ピクチャースタイル
・ニコン … ピクチャーコントロール
・ソニー … クリエイティブスタイル
・オリンパス … シーン別ピクチャーモード(仕上がり)
・ペンタックス … カスタムイメージ
・フジフイルム … フィルムシミュレーション
・パナソニック … フォトスタイル

ピクチャースタイルはカメラが写真の色味を調整する機能です。通常はカメラのスタンダード(標準)で問題ありませんが、紅葉写真では設定を変えることで、自分のイメージに近づけることができます。

紅葉写真でよく使われるピクチャースタイルを紹介します。

ピクチャースタイル 標準 風景 ポートレートの紅葉写真比較

このように、ピクチャースタイルを変えると紅葉写真の雰囲気が変わることがわかります。

どれが正解というものもありません、撮影する人が「これだ!」と思った色が正しい色です。

一つアドバイスをすると、鮮やかさを気持ち控えめにすることをおすすめします。派手な色彩の紅葉写真はパッと見たときの印象はとても強いのですが、観る人によってキツく感じられることがあります。

また、鮮やかさを上げすぎると別の問題が発生します。ピクチャースタイル ビビットなど彩度が高めの設定では、赤色が強く出すぎてグラデーション(トーン、諧調)が無くなってしまう色飽和が起こることがあります。

色飽和を起こした紅葉写真

紅葉写真では色鮮やかさは大切ですが、不自然な鮮やかさは逆効果になることを覚えておきましょう。

ホワイトバランスの解説でも述べていますが、ピクチャースタイルはRAW現像でいくらでも変えることができます。

紅葉の撮り方 基本編 まとめ

いかがでしたか?初心者でも鮮やかな紅葉写真を撮る方法として、逆光の透過光+露出補正+背景の3つのポイントを紹介しました。そのうえで、自分らしい紅葉写真に仕上げるために、ホワイトバランスとピクチャースタイルを調整することをお伝えしました。

今回は限られたシチュエーションで紅葉写真を撮る方法でしたが、次の記事ではいろんなシチュエーションに対応できる構図のテクニックを紹介します。

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