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親指AFでピント合わせが超ラクになる!一眼レフ設定とシーン別の使い方を解説

今回はピント合わせ、AF(オートフォーカス)の解説です。

カメラを買った状態では、シャッターボタンを軽く押すと「ピピッ」と音が鳴ってピントが合いますね。このピントを合わせる動作を親指で操作するボタンに変更するのが親指AFです。

親指AF(おやゆびえーえふ)は大勢のプロカメラマンが使っているピント合わせのやり方です。最初は慣れが必要ですが、親指AFに一度慣れるとピント合わせが格段に楽になるだけでなく、シャッターチャンスを確実に捉えられるようになります。中級機、ハイアマ機をお持ちの方はぜひ実践してもらいたいカメラ操作です。

通常のAF(フォーカスロック)の惜しいところ

写真の基本はピント!と言われるほど、一眼レフの撮影ではピントを合わせることはとても大切です。せっかく素晴らしいシャッターチャンスを捉えても、ピントが合っていない写真は失敗写真です。

ピンぼけの惜しい写真

最近のカメラはオートフォーカスの性能が良くなって、ピント合わせに失敗しにくくなりました。そんな素晴らしいオートフォーカスの性能を120%引き出すのが、親指AF(おやゆびえーえふ)です。

通常のAF(オートフォーカス)と親指AF(おやゆびえーえふ)の違いについて解説します。

通常のAF、つまりカメラを買ったときの状態は、シャッターボタンを軽く押す(半押しする)と「ピピッ」とオートフォーカスが働いてピントが合いますよね?

そのままシャッターボタンを押し込むと、「パシャ」とシャッターが切れて写真を撮ることができます。つまりシャッターボタンには、「ピントを合わせる」「シャッターを切る」という2つの働きがあります。

通常のAF、人差し指でピントを合わせて、押し込んでシャッターを切る

「ピント合わせ」と「シャッター」を1つのボタンで操作できることは、ピントの合わせ忘れを防げるので便利に思えます。

ところが、この方法にはある欠点があります。それは「狙ったところにピントを合わせるのが意外と面倒」という欠点です。

例えば、次のようなケースです。撮りたい主題を画面の横に配置して撮りたいのに、オートフォーカスが奥の建物にピントを合わせてしまったので、肝心の主題にピントが合わなかった例です。

画面の端にピントを合わせたいのに、奥に合ってしまった例

少し前の、オートフォーカスの測距点が少ないカメラでは、こうした失敗がよくありました。

そこで、狙ったところにピントを合わせつつ、画面をうまく整える方法としてフォーカスロックが使われます。フォーカスロックとは、最初に狙ったところに確実にピントを合わせてから、ピントが合った状態をキープして、画面を整えた後にシャッターを切る方法です。

画面の中央に主題を置いてピントを合わせる

シャッター半押しのまま画面を整える

シャッターを押して撮る

このようにフォーカスロックでは、(1)ピントを合わせる(2)画面を整える(3)シャッターを切る、の3つの手順を順番に行うことで、狙ったところにピントを合わせつつ、画面を整えて写真を撮ることができます。

フォーカスロックはカメラを買った時の状態で使える方法なので、一眼レフ使い始めの方にはおすすめの方法です。

ところが、フォーカスロックは使い込んでいくと「うーん、使いにくいな…」と感じることがあります。

写真は1枚撮ってお終いではありません。たとえばポートレートの撮影なら、よりよい表情を引き出すまで何回もシャッターを切ります。またスナップ写真や風景写真では、ここぞというシャッターチャンスを捉えるために、ピントと画面をキープした状態でじっくり待つことがあります。

ポートレートの表情+街角スナップの通りかかりの人

フォーカスロックで何枚もシャッターを切ろうとすると、1枚シャッターを切るたびに(1)(2)(3)を繰り返さなくてはいけません。すると、カメラを微妙にフリフリ動かすので、構図が安定しないとか連写ができないというデメリットがあります。

カメラをフリフリするイラスト

また、ピントと画面をキープした状態で、じっくりシャッターチャンスを待とうとすると、シャッターボタン半押しをずーとキープしたまま待たないといけません。

シャッターボタンを押す指がプルプル震えてとてもつらいことがあります。間違えてシャッターボタンの指を離してしまったら、もう一度(1)からやり直しになってしまいます。

シャッターボタン半押しキープで指がプルプル震えるイラスト

親指AFの仕組み

親指AF(おやゆびえーえふ)とは「ピントを合わせる」働きをシャッターボタンではなく、AF専用のボタンに変更することです。

AF専用ボタンは「AF-ON」と書かれているボタンです。このAF専用ボタンは親指で操作するところに設置されているので、親指AFは親指でピントを合わせて人差し指でシャッターを押すことになります。

AF-ONボタンの拡大写真

通常AFの指とボタンの関係

親指AFの指とボタンの関係

なんか、操作するボタンが増えてややこしそう。と感じるかもしれませんが、親指AFに慣れると通常のAFには戻れないくらいピント合わせが快適になります。

するとシャッターチャンスを狙いやすくなるので、いままでより写真のクオリティがグッと上がりますよ。

「AF-ON」ボタンは中級機以上のカメラに備わっています。エントリー機では他の機能のボタンをAF専用ボタンに変更することで親指AFが可能になります。

キヤノンのエントリー機では「*」と書かれているAEロックボタンを代用します。ニコンは「AE-L/AF-L」と書かれているボタンを代用します。

またミラーレス機のように操作ボタンが少ないカメラでは専用ボタンがないことがあります。そうしたカメラでは親指AFは使えませんので、ご注意下さい。

中級機はAF-ONボタンがある、エントリー機は*ボタンまたはAE-L/AF-Lボタンで代用できる、一部のミラーレス機は代用できるボタンが無い

親指AFの設定方法|キヤノンとニコンを機種別に紹介

では実際に親指AFの一眼レフ設定をやってみましょう。カメラの機種によって多少の違いはありますが、「AF-ON」ボタンの有り無しで大きく違います。

Canon キヤノン 「AF-ON」がある機種(5D Mark IV、7D Mark II、EOS 80D)

[MENU]ボタンを押してメニュー画面を開いて「カスタム機能」-「操作ボタンカスタマイズ」を選択します

カメラの操作ボタンと役割を決める画面が開くので、「シャッターボタン半押し」を「測光のみ」に変更します。

「AF-ONボタン」が「測光+AF」になっていることを確認します。

また、オートフォーカスをAIサーボに変更しましょう。

Canon キヤノン 「*」がある機種(EOS Kiss X9i、EOS Kiss M)

[MENU]ボタンを押してメニュー画面を開いて「カスタム機能」を選択します

「シャッターボタン/AEロックボタン」を「AE/AF」に変更します

また、オートフォーカスをAIサーボに変更しましょう。

Nikon ニコン 「AF-ON」がある機種(D850、D500)

[MENU]ボタンを押してメニュー画面を開いてカスタムメニュー「オートフォーカス」を選択します。

「a8:半押しAFレンズ駆動」を選択します。

「しない」に設定します。これでシャッターボタンを押してもオートフォーカスが動作しなくなったので、親指AFの設定が完了しました。

また、オートフォーカスをコンティニュアスに変更しましょう。

Nikon ニコン 「AE-L/AF-L」がある機種(D750、D7500)

[MENU]ボタンを押してメニュー画面を開いてカスタムメニュー「オートフォーカス」を選択します。

「a8:半押しAFレンズ駆動」を選択します。

「しない」に設定します。これでシャッターボタンを押してもオートフォーカスが動作しなくなりました。

次に、[MENU]ボタンを押してメニュー画面を開いて、カスタムメニュー「操作」を選択します

「AE/AFロックボタンの機能」を選択します

「押し時の動作」で「AF-ON」を選択します

また、オートフォーカスをコンティニュアスに変更しましょう。

まず覚えておきたい親指AFの基本3動作

設定ができたらさっそく使ってみましょう。今までと違って、シャッターボタンを押してもピントが合わせられないことがわかると思います。

かわりに「AF-ON」ボタンを押すとピントが合います。AF-ONボタンを離すとピントが固定されます。このピントを固定するという操作が大事なので覚えておきましょう。

また、AIサーボ(コンティニュアス)に設定しているので、ピントを合わせた被写体が動いても、AF-ONボタンを押し続けている限り、ピントを合わせ続けます。これも同じように、AF-ONボタンを離すとピントが固定されます。

つまり親指AFでは、
(1)AF-ONボタンを押す … ピントが合う
(2)AF-ONボタンから離す … ピントが固定される
(3)AF-ONボタンを押し続ける … ピントを追い続ける
の3つの操作を使い分けます、これがポイントです。

AF-ONを押すとピントが合う、離すとピントが固定される、AF-ONを押し続けると追従する

使ってみて実感する親指AFのメリット

親指AFの便利な点は「シャッターと関係なく、好きなタイミングでピントを合わせて固定できる」ということです。

先ほどのフォーカスロックの撮影を親指AFの設定でやってみると、次のようになります。

画面の中央に主題を置いて親指でAFボタンを1回押してピントを合わせる、画面を整える、シャッターボタンを押す

ここまでは通常のAFとそれほど変わりません。「なんだ、親指AFって別に便利じゃないじゃないか」と思うかもしれませんが、大事なのはこの後です。

シャッターボタンとAFは関係がないので、シャッターを押してもピントは固定されたままです。つまり、ピントを動かさずに何回でもシャッターを押すことができるのです。

また、親指でAFボタンを押さない限りは、ずーとピントが固定されているので、楽な状態でシャッターチャンスを待つことができます。

通常AFと親指AFの比較図、親指AFの方が楽

このように、親指AFは通常のAFと比べて「シャッターと関係なく、好きなタイミングでピントを合わせて固定できる」ので、シャッターチャンスに強くなります。

最強のオートフォーカス設定!親指AF+測距点1点+AIサーボ(コンティニュアス)

オートフォーカスの設定は様々な組み合わせ方ができますが、プロカメラマンも使っている最強のオートフォーカス設定を紹介します。

ただし、キヤノンの5D、7D、ニコンのD850、D500のようにオートフォーカスの測距点が多いカメラに限定されるのでご注意下さい。

・じっくり画面を整える余裕がある被写体 … 親指AF+測距点1点+AIサーボ(コンティニュアス)
・スポーツのように画面に収めるのに苦労する被写体 … 親指AF+測距点多点+AIサーボ(コンティニュアス)

の使い方がオートフォーカス最強の設定です。

親指AF+測距点1点+AIサーボ(コンティニュアス)

測距点選択とは、ニコンはマルチセレクター、キヤノンはマルチコントローラーの名称のボタンで、オートフォーカスの測距点を好きな場所に移動する動作です。

つまり、最初に画面を整えたら、オートフォーカスの測距点をピントを合わせたい場所に移動させます、あとは画面を整えた状態でAFボタンを押して好きなタイミングでピントを合わせることができます。

マルチセレクター、マルチコントローラーで測距点を好きな場所に動かせる

ただし、この方法は「マルチコントローラー」と「AFボタン」を親指が行ったり来たりするので、親指の動きがとても忙しくなります。長時間撮影していると親指がツリそうになるかもしれません。「写真は親指で撮る」というくらい、一眼レフの撮影では親指がとても重要な役割を果たしています。

写真は親指で撮る!マルチコントローラーで測距点を動かし、AF-ONボタンでピントを合わせる

またスポーツのように動きが激しく、とても測距点を狙ったところに移動する余裕がないときは、「親指AF+測距点多点+AIサーボ(コンティニュアス)」がおすすめです。

AF-ONボタンを押しっぱなしにして、被写体にピントを合わせ続けながら、ちょうどよいタイミングでシャッターを切るのがポイントです。連写速度が速い機種なら、連写モードで何枚も撮って一番よいシャッターチャンスを選ぶことができます。

スポーツは多点自動

プロの親指AF操作方法をシーン別に解説します

ではシチュエーション別に、実際に親指AFを使って撮影する流れを見ていきましょう。

風景撮影やテーブルフォトなど三脚を使ったシーン

まずカメラを三脚に取り付けて、画面を整えましょう。構図が決まったら、ピントを合わせたい場所に測距点を移動して、AF-ONボタンを1回押してピントを合わせます。その後は、ピントが固定されているので、絞りやシャッタースピードといったカメラ設定を変えたり、太陽が沈む様子などシャッターチャンスを狙ってシャッターを切ります。

三脚を使った撮影で親指AFを使うメリットは、ピントを素早く合わせて、かつピントを固定できることです。マニュアルフォーカスに比べて格段に早くピントを合わせることができます。

ポートレートなど、構図を変えずにシャッターチャンスを狙うシーン

ポートレートのピント合わせは、人物の眼にピントをあわせることが原則です。被写体の眼に測距点を合わせてAFボタンを1回押しピントを合わせておけば、ピントが固定されるので同じ構図でじっくりシャッターチャンスを狙うことができます。もし被写体が前後に動いても、その都度AFボタンを押せばピントを合わせ直すことができるので、ピント合わせで撮影が中断されることがなくなります。

スポーツなど、動く被写体で画面に収めるのが大変なシーン

スポーツやお子さんの運動会のように、動いているものを追いかける撮影では親指AFが大活躍します。測距点を1点ではなく多点に変更して、被写体がやってくる場所を予測して画面を整えておきます。画面に被写体が入ってきたら、AF-ONボタンを押し続けてピントを被写体に合わせ続けます。被写体がちょうどよい場所に来たら、シャッターを切ります。AF-ONボタンを押し続けることで、カメラのオートフォーカスが被写体を追いかけ、ガッチリピントを食らいつかせた状態でシャッターを切ることができます。

一応知っておきたい、親指AFのデメリット

カメラ設定の変更と慣れが必要

親指AFはカメラを買ったときの状態では使えないので、取扱説明書を読みながらカメラの設定を変更する必要があります。普段はあまり操作しないメニューを変更するので、ちょっと不安を感じるかもしれません。また、親指AFの作業をスムーズに行うには、ある程度練習してカメラ操作に慣れる必要があります。最初はぎこちない操作かもしれませんが、親指AFに慣れると快適さが実感できますので少し頑張っていてくださいね。

人に貸すときに設定を戻さないといけない

親指AFを使うカメラユーザーはまだ少数派です。もしあなたのカメラを他の人に貸すときには、親指AFの設定を元に戻すのを忘れないようにしましょう。親指AFの設定のまま渡してしまうと、「このカメラ壊れているよ、ピントがぜんぜん合わない」と言われてしまうかもしれませんよ。

記念写真をお願いしにくい

旅行先で記念写真をお願いするときも少し困りますね。一眼レフを使っていない人はそもそもピント合わせの発想がありません。むしろ、適当なピント位置に合わせて、レンズの広角側でf値(絞り値)を少し絞ってから渡してあげたほうが、おかしなところにピントが合ってしまうミスを避けられると思います。

まとめ|比較してわかる親指AFの便利な理由

ピント合わせでよく使われる、マニュアルフォーカス、フォーカスロック、親指AFのメリットとデメリットをまとめました。写真撮影においてピント合わせはとても大事な作業です。シチュエーションに合わせて、最適なカメラ設定で快適な撮影を楽しんでくださいね。

マニュアルフォーカス
ピントリングを手で回してピントを合わせる方法です。ファインダーを覗きながら、または一眼レフの液晶画面で拡大表示させながら、ピントが合っているかどうかを眼で確認します。星の撮影などオートフォーカスが効かないシチュエーションでは有効な方法です。ただし、オートフォーカスのように一瞬でピントをあわせることができないので、三脚を使ってじっくり撮影できるシチュエーションに限られます。また安価なレンズではピントリングが回しにくくてマニュアルフォーカスに向かないレンズもあります。

フォーカスロック(通常のAF)
フォーカスロックはシャッターボタンを軽く半押ししてピントを合わせ、シャッターボタン半押しをキープしながら画面を整えてからシャッターボタンを押し込む撮影方法です。カメラを買ったときの状態で使えるので、カメラの設定が必要ありません。デメリットは先ほど紹介したように、シャッターを切ったらまたピントを合わせ直さないといけないこと・そしてピントを固定してシャッターチャンスを待つ間、シャッターボタン半押しをキープしないといけないので指がプルプル震えることです。

親指AF
親指AFはピントを合わせる動作は親指のAFボタン、シャッターを切る動作は人差し指のシャッターボタンに設定する方法です。こうすることで、ピントを合わせるタイミングとシャッターを切るタイミングを分けることができるので、ピント合わせが格段に楽になってシャッターチャンスを捉えやすくなります。

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