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広角レンズ×ローアングル撮影で非日常の世界を表現しよう!

せっかく広角レンズを持っているのに「広い範囲を撮った写真」しか撮っていない方へ。

広角レンズは広い画角を撮るだけのレンズではありません。広角レンズはアングルを少し変えるだけで、非日常の面白い世界を表現できるレンズです。

この記事では、今すぐ試せる広角レンズ+寝転びローアングルのコツをお伝えします。

風景撮影から人物撮影まで幅広く使えるテクニックで、他の人があっと驚く写真をカンタンに撮れちゃいます。

いま持っている広角レンズの活用機会が増えるので、広角レンズの撮影がもっと楽しくなりますよ。

広角レンズを手にしたら寝転んで撮ってみよう

広角レンズ+寝転びローアングルの魅力をお伝えするために、広角レンズの特徴とローアングル撮影についておさらいします。

広角レンズの特徴は広い画角と遠近感の誇張

広角レンズは焦点距離が35mmより短いレンズです。普通のレンズより広い範囲を撮影できるレンズとして認識していると思います。

広角レンズを使いこなすために知っておきたい特徴が3つあります、(1)広い画角(2)誇張(パース)(3)被写界深度が深い、の3つです。

広角レンズの特徴については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

寝転びローアングルは広角レンズの3つの特徴をうまく活かせるおすすめの撮影方法です。

はじめて寝転びローアングルを試すときは、焦点距離が24-28mm(フルサイズ換算)の広角レンズがおすすめです。あまり広角すぎるレンズだと画面をまとめるのに苦労するので、初心者はこの焦点距離からはじめるとよいですね。

24-28mm(フルサイズ換算)は手持ちの標準ズームレンズでカバーできる焦点距離です。いま持っている標準ズームレンズの広角側で十分なので、新しくレンズを買う必要もありません。

標準ズームレンズの広角側でOK

ローアングルはカメラを上に向ける撮影方法

カメラのアングルについて解説します。

カメラを向ける角度によって、カメラを下に向ける「ハイアングル」、まっすぐに向ける「水平アングル」、カメラを上に向ける「ローアングル」の3つがあります。

ハイアングルは高い場所から見下ろして撮影することが多いですね、足元を撮るときに自分の脚が写ることがあるので注意しましょう。水平アングルは普通の風景撮影でよく使われるアングルです。ローアングルはカメラを上に向けるので背景や空が広く写るのが特徴です。

たまに低い位置から撮るのがローアングルと誤解されますが、カメラの高さは「ポジション」です。「アングル」と「ポジション」を混同させないように注意しましょう。

寝転びローアングルが広角レンズの特徴を活かせる理由

寝転びローアングルとは、カメラを地面すれすれに置いて、レンズを上に向けて撮る撮影方法です。つまり「超ローポジション+ローアングル撮影」です。

写真の面白さの一つに「非日常」があります。見慣れた風景の写真ではなく見たことがない風景の写真は、写真を観た人に強い印象を与えられます。

私たちは立ったり座って見る視点に慣れているので、地面すれすれで風景を眺めることはまずありません。アリが見た世界のように非日常の世界を表現できるので、それだけで強烈な印象を与えられます。巨人の世界に迷い込んだガリバーの気持ちになれますね。

広角レンズでローアングル撮影 ガリバー効果を感じられる作品

また、広角レンズの特徴である誇張は「近くのものが大きく、遠くのものが小さく」写る効果です。寝転びローアングルで手前の被写体を大きく入れて、背景を画面に入れると、手前と背景の大小関係が逆転することがあります。

ただし、道路で寝転がっていると「大丈夫ですか?」と声をかけられることがあるので、やりすぎには注意ですね(笑)

寝転びローアングル撮影の基本姿勢をマスターしよう

より安定して寝転びローアングルの作品を撮るために、基本姿勢をお伝えします。

ローアングルの基本はカメラを上に向けること、つまり被写体よりカメラを低く構えることです。

被写体の大きさが人の身長くらいなら、膝をついたり、座り込んで撮影するだけでローアングルになります。

より非日常感を表現するには、やはり地面すれすれにカメラを置きたいですね。ここは思い切って寝転んでしまいましょう。服が汚れるといけないので、100円ショップでシートを購入しておくとよいです。肘でカメラをしっかり固定するといいですね。

写真を撮ったらピントを確認しましょう。またもう少し被写体に近づけるか試してみましょう。さらに一歩近づくことで広角レンズの表現は全然違うものになります。レンズにはピントが合う最短距離が決まっているので、ピントが合うギリギリまで近づけるといいですね。

背面液晶がバリアングル可動式の場合は、積極的に使ってみましょう。寝転んで服が汚れることがないのでおすすめです。

バリアングルは便利な撮影方法ですが、寝転んで自分の視点を地面すれすれに置くことで被写体の特徴をより発見できることもあります。ご自身が撮影しやすいスタイルを試してみるといいですね。

広角レンズ+寝転びローアングル撮影のポイント

広角レンズ+寝転びローアングル撮影で非日常の世界を表現するポイントを2つ紹介します。

(1)主題と副題を見つける
(2)主題に近寄って大きく撮る
(3)背景にこだわる(情景描写、大小関係の逆転)

(1)主題と副題を見つける

まず被写体を見つけます。広角レンズの特徴を活かすために、地面に置かれたものを主題にして、奥の風景を副題にできる風景を探してみましょう。

例えばこのように、地面のタンポポを主題に、奥の建物を副題にできる風景が向いています。

地面のタンポポを主題にすると決めたら、その中でどの花を撮るか?を選びます。できるだけ傷や汚れのないキレイな花を選びましょう。

(2)主題に近寄って大きく撮る

広角レンズ+寝転びローアングルのポイントは、とにかく主題に近づいて大きく撮ることです。

広角レンズの特徴である誇張(近くのものが大きく、遠くのものが小さく)は、被写体との距離が近づくほど、より顕著に表れます。わずか1-2cm近づいただけで、写真の写り方がぜんぜん違うこともあるので、レンズの最短撮影距離まで近づいて撮ってみましょう。

(3)背景にこだわる(情景描写、大小関係の逆転)

広角レンズ+寝転びローアングルは背景の選び方がポイントです。書店距離が短いレンズは被写界深度(ボケ具合)が深いので、背景を積極的にボカすのが難しいレンズです。

つまり背景の情報がある程度写真に収められてしまうので、できるだけ主題にマッチして、情景描写で主題が置かれている状況がわかるような背景を撮るといいですね。

広角レンズでローアングル撮影 背景とマッチした作品

また背景に遠くにある大きなものを入れると、主題との大小関係が逆転します。これもガリバー効果で非日常の世界を表現できるコツなので、積極的に使っていきましょう。

広角レンズでローアングル撮影 大小関係の逆転を感じられる作品

気をつけよう!あと一歩の作品から学ぶ撮影のヒント

広角レンズ+寝転びローアングル撮影は、広角レンズの特徴を活かして非日常の世界を表現できる撮影方法です。しかし、ただ寝転んで撮るだけだと、作例として成立しにくいことがあります。

ここではせっかく広角レンズ+寝転びローアングルで撮ったのに、惜しくも作品としての魅力に欠けてしまった例を紹介します。

低い位置から撮っただけ

手前に植え込みの花、奥に高層ビルを入れて大小関係の逆転を狙いました。手前の花が主題と思われますが、やや大きさが不足しているので、パッと見たときにどれが主題がわかりにくくなってしまいました。

広角レンズは広い範囲を撮れるため、相対的に主題が小さく写りがちです。思い切って主題をはっきり大きく撮るくらいがよいですね。

広角レンズでローアングル撮影 あと一歩の作品1

ワンポイント(主題)が無い

地面は広角レンズ+寝転びローアングルのおすすめ被写体です。ただし、地面に面白い模様パターンがあるとか、地面に特徴がないと、ただローアングルで撮っただけの写真になってしまいます。

この場合も、道路の白線に着目したことは伝わってきますが、ややインパクトが不足しています。珍しい道路の模様が写っていたり、面白い光が差し込むなど、もうワンポイントがあるといいですね。

広角レンズでローアングル撮影 あと一歩の作品2

くもり空が白く飛ぶ

広角レンズ+寝転びローアングルで撮影すると、たいてい空が写ります。このとき、ありがちなのが曇りの真っ白な空が写っているケースです。大きな面積で白い空が写っていると、空いた空間として画面のバランスが取りづらくなります。

できれば白い空を入れないアングルを探るか、日を改めて青空や面白い形の雲が現れるシチュエーションを狙ってみましょう。

広角レンズでローアングル撮影 あと一歩の作品3

広角レンズ+寝転びローアングル撮影 おすすめ被写体

広角レンズ+寝転びローアングルで撮りたいおすすめの被写体を紹介します。ここで紹介する被写体を見つけたら、とりあえず寝転んで撮ってみましょう。

地面にある主題としてわかりやすいのは花です。目線の高さから撮るとなんでもない花でも、広角レンズ+寝転びローアングルで撮ると表情が一変します。

広角レンズで寄ると花の細かいところまで見えてしまいます。主題の花を選ぶときは、汚れや傷がないキレイな花を選ぶようにしましょう。また夢中になるあまり、周りの花を踏みつけて傷つけないよう気を配りたいですね。

広角レンズでローアングル撮影 花を撮った作品1

広角レンズでローアングル撮影 花を撮った作品2

地面・床

特徴的で面白い素材や模様の地面を見つけたら、広角レンズ+ローアングル撮影のチャンスです。地面の特徴がよくわかる場所を選んで、カメラを地面すれすれに近づけて撮ってみましょう。

必然的に空が写ることが多いので、雲の表情にこだわれるといいですね。もし曇りで空が白く飛んでしまうようなら、空が写り込まないアングルを工夫してみましょう。

広角レンズでローアングル撮影 地面や床を撮った作品

乗り物(バイク・自転車など)

バイクや自転車は広角レンズ+ローアングル撮影にとても向いています。花や地面と違って車高が高いので、それほど地面すれすれにカメラを置かなくてもローアングルが成立するケースがあります。

ポイントは乗り物の向きです。ご自身のバイクや自転車なら、背景とバランスよくマッチしつつ、かっこよく見える向きに調整して撮影してみましょう。

広角レンズでローアングル撮影 乗り物を撮った作品1

広角レンズでローアングル撮影 乗り物を撮った作品2

人物(作業シーン)

なにか作業をしている人物も広角レンズ+寝転びローアングル撮影で撮ると意外な表情を捉えられます。作業中の人にグッと寄って撮影するのはためらってしまいますが、あらかじめ声をかけて撮りやすい雰囲気を作りながら撮ってみてください。

広角レンズでローアングル撮影 作業している人を撮った作品1

広角レンズでローアングル撮影 作業している人を撮った作品2

建物

建物は広角レンズのパースを活かしやすい建物です。これも寝転びローアングルで地面と入れて撮ることで、より建物の形状を強調した写真を撮れます。

広角レンズでローアングル撮影 建物を撮った作品

まとめ|広角レンズを手にしたら寝転んでみよう

カメラを地面すれすれに置いて撮る寝転びローアングル撮影は、広角レンズの特徴を活かして非日常の写真を撮れるおすすめの撮影方法です。

標準ズームレンズの広角側でいますぐ試せるので、以下の3つのポイントを押さえて、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

(1)主題と副題を見つける
(2)主題に近寄って大きく撮る
(3)背景にこだわる(情景描写、大小関係の逆転)

広角レンズについてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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