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おすすめ望遠レンズ|メーカー別に初心者が買うべき1本を紹介します

スポーツや野鳥など、遠く離れた場所を撮るときには望遠レンズが必要です。

望遠レンズは他のレンズに比べてサイズが大きいので、購入にはちょっと勇気がいりますね。

望遠レンズはスポーツなど遠くで動くものだけでなく、動かない風景写真でも活躍するレンズです。

この記事では、はじめて望遠レンズを購入する方のために、望遠レンズの概要や特徴、失敗しない選び方、メーカー別におすすめ望遠レンズを紹介します。

望遠レンズを使いこなせるようになると、一眼レフならではの迫力ある写真を撮れるようになります。ぜひ望遠レンズの世界に飛び込んで、感動を引き寄せる撮影を楽しんでくださいね。

望遠レンズってどんなレンズ?

望遠レンズは焦点距離が70mm以上のレンズ

一眼レフの交換レンズは沢山の種類がありますが、実は「焦点距離」と「ズームの有無」の2つだけで分類できます。

望遠レンズとは、焦点距離がフルサイズ換算で70mm以上のレンズです。

レンズの焦点距離の分類

カメラを買ったときについてくる標準ズームレンズを見てみると、望遠側が80-100mm(フルサイズ換算)になっていると思います。この標準ズームレンズはギリギリ望遠レンズの画角をカバーしていますが、本格的な望遠レンズの焦点距離は200,300,400mm…ともっと大きな数字です。

ちなみに、交換レンズの中には広角から望遠まで1本でカバーできる「高倍率ズームレンズ」があります。こちらも望遠レンズとして使えますよ。

望遠レンズの種類

望遠レンズは焦点距離ごとに、さらに中望遠、望遠、超望遠と分けられます。フルサイズ換算で、80-135mmが中望遠、135-300mmが望遠、300mm以上が超望遠です。

望遠レンズの種類 中望遠 望遠 超望遠

使い勝手の望遠ズームレンズ、望遠マニア向けの望遠単焦点レンズ

望遠レンズにはズームができる望遠ズームレンズと、ズームができない望遠単焦点レンズがあります。

はじめて望遠レンズを購入するなら、ズームができる望遠ズームレンズをおすすめします。

望遠レンズは広角レンズや標準レンズと違って、焦点距離を柔軟に変えながら画面を切り取ることが多いです。撮った後にパソコンでトリミングすることもできますが、最初は撮影時点でしっかり切り取ることを身につけたほうがよいですね。

使い勝手の良い望遠ズームレンズとマニア向けの望遠単焦点レンズ

望遠”単焦点”レンズは今すぐ買わなくてもよい

望遠単焦点レンズは本格派の望遠レンズです。望遠ズームレンズとの違いは開放F値が明るいことです。例えば、望遠ズームレンズの開放F値はF4-5.6が一般的ですが、望遠単焦点レンズでは開放F値 F2.8と2倍以上明るいものがあります。

体育館のスポーツのように暗いシチュエーションの撮影では、開放F値が明るいレンズの方がずっと撮りやすいですね。また背景のボケ具合もズームに比べて大きくなるので、主役がより浮かび上がる写真を撮れます。

ただし、望遠単焦点レンズは非常に高価です。500mmを超える望遠単焦点レンズでは車が買えるくらい高価なレンズがあります。

また重量がかなりヘビー級になるので、持ち運びが大変です。レンズを手で支えるのが難しくなるので、スポーツ撮影のプロカメラマンは一脚を使ってカメラとレンズを支えています。

したがって、はじめて望遠レンズを購入する方は、望遠ズームレンズで望遠レンズの世界を体験するのがおすすめです。その上で、どうしても明るいレンズがほしい!と感じたら、お財布と相談して望遠単焦点レンズを検討しましょう。

知っておきたい望遠レンズ3つの特徴

望遠レンズには広角レンズや標準レンズにはない特徴があります。望遠レンズを使いこなすために知っておきたい3つの特徴をまとめました。

望遠レンズの特徴1|遠くのものを大きく撮れる

当然ながら、望遠レンズは遠くのものを大きく撮れます。

夕日を大きく切り取ったり、スポーツ観戦で選手の表情を捉えたり、スマホでは絶対に撮れない迫力ある写真を撮れます。

普段は広角レンズでダイナミックに撮影する風景でも、望遠レンズで切り取ると面白い写真を撮れるケースがたくさんありますよ。フルサイズ換算で200mmを超える画角で撮ると、人の目で観た風景とかなり違った印象の写真を撮れますよ。

望遠レンズの特徴2|背景がよくボケる

背景のボケは被写界深度で決まります。焦点距離が長い望遠レンズは被写界深度が浅くなるので、大きくボケた写真を撮りやすいですね。

反面、望遠レンズは被写界深度が浅くなるので手前から奥までピントが合ったパンフォーカスの写真は撮りにくいです。f値(絞り値)をf22まで目一杯絞っても、パンフォーカスが得られないことがあるので、奥行きのある写真を撮りたい場合は気をつけてくださいね。

被写界深度について、もっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

望遠レンズの特徴3|圧縮効果を演出できる

圧縮効果とは被写体の奥行き感が無くなったように見える写真の表現です。例えばこのような写真です。本来は距離が全く違う2つの被写体が同じ平面にいるように見えますね。

望遠レンズ 圧縮効果の写真

望遠レンズでこのような写真を撮れる理由は、焦点距離で遠近感の表現が変わるからです。

広角レンズはカメラに近いものと遠いものを一つの画面に入れることができるので、近いものはより近く、遠いものはより遠くと遠近感を誇張して表現できます。一方で、望遠レンズはカメラから離れた被写体だけを切り取れるので、遠近感が無くなったように見える写真を撮りやすいと言えます。

望遠レンズで撮りたいシチュエーションと必要な焦点距離

焦点距離は300mmあれば大丈夫

はじめて望遠レンズを購入するとき、焦点距離がいくつのレンズを買えばいいか迷いますね。ここでは撮りたい被写体別に、必要な焦点距離をまとめました。

ざっと見てみると、焦点距離がフルサイズ換算で300mmあれば、大抵の被写体を撮れることがわかります。もちろん、400mm、500mmと長い焦点距離を使えば、もっと迫力のある写真を撮れますが、レンズが高価で重たくなるのでメリットよりデメリットが目立ってきます。

無理して焦点距離の長いレンズを使うのではなく、APS-Cのカメラを活用するとよいですね。APS-Cのカメラを使えば、焦点距離が1.5-1.6倍されるので、200mmのレンズを300mm、300mmのレンズを450mmとして使えます。

望遠レンズに必要な焦点距離をまとめ

スポーツを撮る

望遠レンズで撮りたい被写体 No.1 がスポーツ写真ではないでしょうか?お子さんの運動会から、プロのアスリートまで、望遠レンズなら躍動感あふれる写真を撮れます。

運動会や一般的なスポーツ撮影ならフルサイズ換算で300mmあれば、ほとんどのシチュエーションをカバーできます。全身だけでなく、表情のアップまで狙いたい場合、フルサイズ換算で500mmあると多彩な表情を捉えられます。

望遠レンズ スポーツの写真

ペットを撮る

屋外でペットが楽しそうに遊んでいる表情を望遠レンズで捉えるのもおすすめです。少し離れた場所から慎重にピントを合わせて躍動感を伝えられる写真を目指しましょう。被写体に近寄ることができるので、焦点距離はフルサイズ換算で200mmあれば大丈夫です。

動物園で撮る

同様に、動物園も望遠レンズが大活躍します。焦点距離はフルサイズ換算で300mm以上あれば動物の表情までハッキリ捉えられます。動物園では金網が邪魔になりがちですが、望遠レンズなら金網にレンズを近づけることで、金網をぼかして見えなくすることができますよ。

野鳥・野生動物を撮る

野鳥や野生動物は非常に難易度の高い被写体です。被写体に近づけないため、他の被写体に比べて相当長い焦点距離が必要です。最低でもフルサイズ換算で500mm、本格的に野鳥を撮影している方は800mm、1000mmの超望遠レンズを揃えています。

野鳥・野生動物はどれだけ焦点距離が長いレンズを揃えられるか?がポイントなので、本格的に取り組む場合はかなりの出費を覚悟しておきましょう。

人物・ポートレートを撮る

人物撮影の定番レンズはフルサイズ換算で80-100mmの中望遠レンズです。人物のバストアップを中心に、背景をぼかして様々な表情を捉えられます。圧縮効果を活かした写真を撮りたい場合は、フルサイズ換算で200mmまであると便利です。

花を撮る

望遠レンズは花の撮影にも向いています。花壇や池の中など花に近づけないシチュエーションでも、望遠レンズがあれば大きく切り取れます。

また被写界深度が浅くなることを利用して、手前の花を前ボケに、後ろの端を背景ボケにして、ボケのサンドイッチで主役の花を浮かび上がらせて撮れます。

風景を切り取る

風景写真は広角レンズでダイナミックに切り取るのが定番です。一方で、望遠レンズを使って「あ!ココがキレイ!」と感じた箇所をピンポイントで切り取ると印象的な風景写真を撮れます。

望遠レンズを持ち運ぶのはためらってしまいますが、風景写真はf値(絞り値)をf8まで絞るので開放F値が暗いレンズでも十分です。荷物に余裕があればフルサイズ換算で300mmまでカバーできるレンズを1本持っておくことをおすすめします。

鉄道を撮る

鉄道写真も望遠レンズが活躍するシチュエーションですね。駅に停車している車両は広角から標準画角で十分ですが、走行中の車両は望遠レンズで狙うと圧縮効果も活かされて迫力ある写真になります。

焦点距離はフルサイズ換算で300mmあれば圧縮効果を感じられる本格的な鉄道写真に仕上がります。

はじめての望遠レンズの選びで失敗しないコツ

はじめて望遠レンズを購入する方のために、失敗しない望遠レンズ選びのコツをお伝えします。

望遠レンズを焦点距離と開放F値で、入門、中級、ハイアマに分けてみました。

(入門)70-300mm F4-5.6【5万円コース】

5万円前後で手に入るお手頃な望遠ズームレンズです。フルサイズ換算で300mmの焦点距離をカバーしているので、これ1本あれば望遠レンズで撮りたいほとんどの被写体に対応できます。

初心者向けのカメラを買えば、ダブルズームレンズキットでこのタイプの望遠レンズがついてくることもあります。

数年以内に発売されたレンズならオートフォーカスも高速に動作します。開放F値がF5.6(機種によってはF6.3)とやや暗いので、ボケの美しさはあまり期待しないほうがよいでしょう。

70-300mm F4-5.6 【5万円コース】 の長所と短所

Good
・お手頃価格
・300mmあればほとんどの被写体に対応できる
Bad
・暗い場所の撮影が苦手
・背景のボケが物足りないかも

(中級)70-200mm F4 【10万円コース】

はじめての望遠レンズなら開放F値がF4の望遠ズームレンズがおすすめです。入門の70-300mmに比べて望遠側が物足りなく感じますが、開放F値がF4と明るいので美しいボケが楽しめます。

入門の5万円台の望遠ズームレンズに比べてレンズに高級なガラス素材を使っていることが多いので、ワンランク上の描写力を楽しめます。

ズームして画角を変えても開放F値が一定なので、マニュアル露出でスポーツ写真を撮るときに露出が安定しやすいメリットもあります。

また、10万円クラスのレンズなので、レンズの鏡筒など造りがしっかりしています。本格的なレンズを所有している楽しさも実感できますね。

焦点距離が物足りないと感じたら、フルサイズではなくAPS-Cのカメラを使いましょう。焦点距離が1.5-1.6倍に伸びるので、実質300mmの望遠レンズとして使えます。

70-200mm F4 【10万円コース】 の長所と短所

Good
・ワンランク上の描写力
・開放F値が一定なので露出が安定する
・美しいボケが得られる
・造りがしっかりしているので安心

Bad
・200mmだと焦点距離が足りないケースがある

(ハイアマ)70-200mm F2.8【20万円コース】

「開放F値がF4とF2.8のどちらを購入すればいいですか?」というご質問をよくいただきます。

結論として、開放F値 F2.8がどうしても必要でなければ、F4の望遠ズームレンズをおすすめします。

確かにF2.8はF4のレンズに比べて1段明るいので、暗いシチュエーションで有利です。また圧倒的な背景のボケも得られます。

一方で、F2.8の望遠ズームレンズは非常に重たいので、力の弱い女性だと構えるだけで腕が痛くなることもあります。

カメラバッグに交換レンズを詰め込むときに、どうしても重たいレンズは置いて行きです。気がつくと、せっかく買ったF2.8の望遠ズームレンズがほとんど使われずにレンズケースに入ったまま、という方もたくさんいらっしゃいます。

交換レンズは使用頻度が大事です。機動力を活かして望遠レンズを使った作品をどんどん創っていただくために、F4の望遠ズームレンズをおすすめします。

70-200mm F2.8 【20万円コース】 の長所と短所

Good
・F2.8の圧倒的なボケ
・暗い場面でも大活躍
Bad
・20万円オーバーの価格
・力の弱い方はカメラを構えるのが大変
・持ち運びがとにかくおっくう

はじめての1本におすすめ!初心者向け望遠レンズ

Nikon ニコン 【フルサイズ用/APS-C用】 望遠レンズ

ニコンは望遠レンズのラインナップが充実しています。はじめて望遠レンズを購入される方には、入門の70-300mm F4.5-5.6、中級の70-200mm F4がおすすめですね。

ニコンのフルサイズミラーレス機をお持ちの方は、レンズアダプター「FTZ」を使うとこれらのレンズを装着できますよ。

Canon キヤノン 【フルサイズ用/APS-C用】 望遠レンズ

キヤノンもニコンと同様に望遠レンズのラインナップが充実しています。70-200mm F4は2018年にリニューアルされた定評ある望遠ズームレンズなので、まずはこの1本を持っておくことをおすすめします。

キヤノンのミラーレス機をお持ちの方は、レンズアダプターを使えばこれらのレンズを問題なく使えますよ。

こちらはAPS-Cミラーレス用のアダプターです、EOS Kiss M がそうですね。

こちらはフルサイズミラーレス用のアダプターです、コントロールリング付きが便利ですよ。

Sony ソニー 【フルサイズ/APS-C用】 望遠レンズ

ソニーのミラーレス向け望遠レンズはAPS-C向けにリーズナブルな55-210mm F4.5-6.3があります。フルサイズ向けは70-300mmが10万円を超えてしまいますが、表現力の高いおすすめレンズです。

Pentax ペンタックス 【フルサイズ/APS-C用】 望遠レンズ

ペンタックス・リコーは他のカメラメーカーに比べてレンズラインナップやや弱めです。この55-300mmはAPS−C専用のレンズなので、フルサイズの一眼レフに装着する場合、クロップモードで使用するとよいでしょう。

ペンタックス・リコーのフルサイズの一眼レフをお持ちの方は、シグマやタムロンなどサードパーティー製の望遠レンズも検討するとよいでしょう。

Olympus Panasonic 【マイクロフォーサーズ用】 望遠レンズ

マイクロフォーサーズは意外と望遠レンズのラインナップが豊富です。フルサイズ、APS-Cと比べて撮像素子のサイズが小さいので、望遠レンズにもかかわらず比較的コンパクトなレンズが揃っています。

開放F値 F2.8の望遠ズームレンズは重すぎて持ち運びに不便、とお伝えしましたが、マイクロフォーサーズのF2.8 望遠レンズはほかメーカーに比べるとそれほど高価でなく軽量なので、予算に余裕があれば検討してみるとよいでしょう。

Sigma シグマ Tamron タムロン 望遠レンズ

番外編として、どうしても長い焦点距離が欲しい方向けに、10万円台で購入できる超望遠レンズを紹介します。

ここ数年で400mmを超える超望遠レンズのラインナップが充実してきました。純正の超望遠レンズは20万円以上と高価なので、サードパーティー製のお手頃価格レンズを紹介します。

サードパーティー製の交換レンズは、カメラとのマッチングやトラブル時の対応など、リスクを許容できる方のみ試してくださいね。シグマとタムロンから1本ずつ紹介していますが、実はどちらのメーカーからも同等スペックのレンズが発売されています。

まとめ|望遠レンズで感動を引き寄せた写真を撮ろう!

はじめて望遠レンズを購入される方向けに、焦点距離 70-200mm 開放F値 F4 の望遠ズームレンズをおすすめしました。

交換レンズに10万円は勇気がいる買い物ですが、期待以上に活躍してくれる1本になるでしょう。

ぜひ望遠レンズを使いこなして、感動を引き寄せた写真をたくさん撮ってくださいね。

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