初心者におすすめのマクロレンズをメーカー別に紹介
マクロレンズに興味があるけど、「手持ちのレンズと何が違うの?」「どれを買えばいいかわからない・・・」という方に、マクロレンズの基礎知識とおすすめの鉄板マクロレンズを紹介します。
マクロレンズはレンズラインナップに1本追加しておくと、とても重宝するレンズです。見た人があっと驚くような写真を撮ることができますよ。
Contents
マクロレンズは1本持っておくと重宝するレンズ
マクロレンズはたくさん種類がある交換レンズの一つです。マクロレンズのマクロとは「小さいものを大きく写す」という意味で、身の周りの何気ない風景から驚くような写真を撮ることができます。
マクロレンズの面白さは、日常の景色から思いもよらない世界を発見できることです。撮りたいイメージに合わせてレンズを交換できる一眼レフカメラの醍醐味を実感できますよ。
受講生がマクロレンズで撮った作品
マクロレンズを使うと思った以上に面白い写真を撮ることができます。実際にマクロレンズを使うとこのような写真を撮れるようになりますよ。あなたも試したくなりませんか?
マクロレンズはこのような形をしています。一見、他のレンズと変わりませんが、レンズの名前に「MACRO」や「Micro」の文字が入っています。
ニコンの一眼レフを使っている方へ
ニコンはマクロレンズのことをマイクロレンズとよんでいます。どちらも同じレンズですが呼び方だけ違うので注意です。なぜニコンだけマイクロレンズと呼ぶかというと、マクロレンズとは顕微鏡のように拡大するレンズで、カメラのように等倍までのレンズはマクロとは言わない、というこだわりを持っているからです。
望遠/標準ズーム/マクロレンズを撮り比べてみました
マクロレンズの特徴はとにかく寄れることです。ためしに、いつも使っているレンズでそのへんにある被写体にグッと寄ってみてください。あるところまで近づくとピントが合わなくなると思います。ところが、マクロレンズはそこからさらにググっと寄ることができます。「えっ!?こんなに近づけるの?」と驚くと思います。
実際に望遠ズームレンズ、標準ズームレンズ、マクロレンズの3本を撮り比べてみました。
撮る対象は私たちフォトアドバイスのバッジ(直径 38mm)です。ピントが合うギリギリのところまで近づいた様子をご覧ください。
まず遠くを撮る代表選手、望遠ズームレンズです。最短撮影距離が1.2mなのでかなり被写体から離れていますね。
次にいつも使っている標準ズームレンズです。最短撮影距離が0.25mと意外とがんばります。
いよいよマクロレンズの登場です、最短撮影距離は0.2m。先ほどの標準レンズと比べて少し近づいた様子です。
では撮り比べた結果を見てみましょう。
結果はマクロレンズの圧勝ですね。拡大してみるとバッチプリントの細かいドットまで見えます。
「望遠レンズは遠くのものを引き寄せるレンズ」ですが、このように1m程度の最短撮影距離ではマクロレンズの方が圧倒的に大きく写せることがわかります。標準ズームレンズも健闘しましたが、マクロレンズと比べるとここまで差が出るのですね。
撮影倍率と最短撮影距離がマクロレンズの特徴
マクロレンズと他のレンズの違いは、「撮影倍率」と「最短撮影距離」です。代表的なレンズの撮影倍率と最短撮影距離を比較してみました。
こうしてみるとマクロレンズの撮影倍率の1倍(等倍)というのが、いかに特徴的かがわかりますね。
繰り返しになりますが、マクロレンズと通常のレンズの一番の違いは最大撮影倍率です。最大撮影倍率とは、レンズを通して撮像素子に写された像の大きさと、実際の被写体の大きさとの比です。もうすこし簡単に言うと、どこまででっかくマクロで写せるか?を数字で示したものと考えてください。
普段使っているズームレンズや単焦点レンズの最大撮影倍率は、0.2倍くらいですが、マクロレンズは0.5~1倍(等倍と呼びます)です。レンズを選ぶときには最大撮影倍率の数字をちょっと気にしておくといいでしょう。数字が大きい方が、でっかく写せる!くらいで構いません。
実際の撮影では最短撮影距離が使い勝手に関係します。最短撮影距離とは、被写体に目一杯近づいたときのカメラと被写体の距離をメートルで表したものです。このときのレンズの先端から被写体までの距離をワーキングディスタンスと言います。被写体によっては目一杯近づくことが難しいものがあるので、ワーキングディスタンスも念のためにチェックしておきましょう。
先ほどのマクロレンズで撮影したときの最短撮影距離を測ってみましょう。
レンズのカタログスペック通り、およそ0.2mでした。
近距離から遠距離まで万能に活躍するレンズ
「マクロレンズは寄って撮るだけのレンズ」と勘違いされることがありますが、マクロレンズは遠くの山々までしっかりと撮ることができます。マクロレンズは細かいところまで表現する解像度という性能が高いので、お肌の質感を気にするプロカメラマンが人物撮影で使うことがあります。
遠景をマクロレンズで撮った作例
遠景をマクロレンズで撮った作例です。マクロレンズは中望遠領域の単焦点レンズとして使えるので、このように遠くの景色の一部を切り取る使い方が便利です。足元のお花に飽きたら、少し遠くの景色を見渡してみましょう。
人物をマクロレンズで撮った作例
人物をマクロレンズで撮った作例です。人物をバストアップ(胸より上)で撮るときはマクロレンズの画角を使うとちょうど良い感じに撮れます。解像度が高いので肌の質感までキレイに表現できますよ。
マクロレンズは100mmを基本に選ぶ
「私もマクロ撮影をやってみたい!」と思ったら、ちゃんとしたマクロレンズをおすすめします。最近はマクロ機能がついたズームレンズもありますが、やはり焦点距離が固定された単焦点レンズの方が使い勝手と画質の点で有利です。マクロレンズは焦点距離ごとに、60mm、100mm、180mmの3つに分かれていますが、初めてのマクロレンズはフルサイズ換算で100mmをおすすめします。
マクロレンズはタムロン、シグマといったサードパーティーからも割安に販売されています。タムロンの90mmマクロレンズは「タムキュー」の名前で有名です。サードパーティーは割安な反面、メーカーのサポートが受けられないリスクがあるので、上級者向きと言えます。迷ったら純正レンズを選びましょう。
メーカー別|はずさない鉄板マクロレンズ
ニコンの鉄板マイクロレンズ
FX(フルサイズ)向け | AF-S VR Micro Nikkor ED 105mm F2.8 G(IF)
3段分の手ぶれ補正機能を備えたニコンの代表的なマイクロレンズです。ナノクリスタルコートでゴーストやフレアを抑えることができます。少しお値段が張りますが、長く使い続けられるおススメの1本です。
DX向け | AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
「AF-S VR Micro Nikkor ED 105mm F2.8 G(IF)」と同じく、ナノクリスタルコートが施されたマクロレンズです。DX機で使うと90mm相当の使いやすい画角になります。手ぶれ補正機能がないので、暗い場所では一脚や三脚を使って手ぶれを防ぐとよいでしょう。
キヤノンの鉄板マクロレンズ
フルサイズ向け | EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
マクロ撮影でやっかいな手ぶれを防ぐハイブリッドIS(角度ブレとシフトブレを両方補正する)を搭載した中望遠マクロレンズです。非常にキレイなボケ味で、10万円台の価格に見合った高級レンズの代名詞「Lレンズ」シリーズにふさわしい写りを楽しめます。
APS-C向け | EF-S60mm F2.8 マクロ USM
APS-C専用のEF-Sレンズ、軽量で使いやすいマクロレンズです。コンパクトな外見によらず非常にシャープで本格的なマクロ撮影を楽しめます。手ぶれ補正機能がないのでブレには注意してください。
ペンタックスの鉄板マクロレンズ
フルサイズ向け |smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WR
アルミ削り出しで高級感を感じる外装です。簡易防滴を備えているので、突然の雨でも安心して使うことができます。シャープで高めのコントラストながら柔らかいボケ味を楽しむことができます。
APS-C向け | smc PENTAX-D FA MACRO 50mmF2.8
フルサイズでも使えるコンパクトなマクロレンズです。見かけはクラシカルですがデジタル時代に対応した設計です。APS-Cに装着するとフルサイズ換算で80mm相当になるので、もう少し寄りたいと感じるかもしれません。
マイクロフォーサーズの鉄板マクロレンズ
OLYMPUS | M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
フルサイズ換算で120mmに相当する、コンパクトで軽く使いやすいマクロレンズです。5万円台のお手頃価格なのでコストパフォーマンスも優秀です。
まとめ
マクロレンズは驚くような非日常の写真が手軽に撮れる、1本持っておくと重宝するレンズです。まずは基本の100mmレンズ(APS-C機の方は60mm)でマクロレンズの世界をはじめてみましょう。