マクロレンズ作例紹介!マクロで撮るべき7つの被写体を紹介します
マクロレンズは交換レンズの中でも非日常的な写真を撮れるレンズです。マクロレンズを買ったけど「何を撮ればいいかわからない…」と出番が少なくなっていませんか?ここでは、マクロレンズを買ったらぜひ撮りたい7つの被写体と作例を紹介します。
マクロレンズを使いこなして、身の周りから非日常的な写真表現が溢れ出す!そんな写真ライフを楽しみましょう。
Contents
マクロレンズの特徴をおさらいしましょう
まずマクロレンズの特徴をおさらいしましょう。マクロレンズの特徴は、以下の3つです。
・被写体に寄れる
・被写界深度が浅くなる
・実は遠くの風景も撮れる
マクロレンズの特徴(1)|被写体に寄れる
マクロレンズは被写体に対してグッと寄る(近づく)ことができるレンズです。
被写体に対してどれだけ近づけるか?を数字で表したものが「最短撮影距離」です。この最短撮影距離について、マクロレンズとその他のレンズで比較したものがこちらです。
一般的な標準単焦点レンズの最短撮影距離は30~45cmです。それに対して、マクロレンズはさらに近づいて、被写体をアップで撮ることができます。
どちらも似た焦点距離のレンズで撮影していますが、一般的なレンズに対してマクロレンズは虫眼鏡のように拡大した写真を撮れることがわかります。
マクロレンズの特徴(2)|被写界深度が浅くなる
マクロレンズの2つ目の特徴は、被写界深度つまりボケです。被写界深度はピントが合ったように見える範囲のことで、被写界深度はボケの大きさと関係しています。
被写界深度は被写体との距離が近いほど浅くなる(ボケが大きくなる)特性があります。
つまり、マクロレンズは他のレンズに比べて最短撮影距離が短く、被写体にグッと近づくことができるので、結果的に被写界深度の浅い(ボケが大きい)写真を撮ることができます。
また被写界深度はf値(絞り値)にも関係しています。一般的なマクロレンズの開放F値はF2.8です。単純に開放F値だけを比較すると、単焦点レンズにはF1.4といった更に明るいレンズがあります。
しかし、被写体との距離が近い撮影では、被写界深度はf値(絞り値)より被写体との距離に大きく依存します。したがって、マクロレンズは被写体に近づくことで、より浅い被写界深度(より大きいボケ)を得ることができます。
マクロレンズの特徴(3)|実は遠くの風景も撮れる
マクロレンズは近くの被写体だけでなく遠くの風景も撮ることができます。マクロレンズは接写(マクロ撮影)専門というより、近くから遠くまで撮れる万能レンズと考えておくとよいでしょう。
マクロレンズの多くはズームができない単焦点レンズです。また焦点距離は50mmから200mm、特に50mmから105mmのラインナップが充実しています。
つまりマクロレンズは中望遠の画角で風景を切り取る使い方ができます。風景写真の撮り方として、広角レンズでダイナミックな写真を撮るだけでなく、中望遠の画角で風景の美しいところを狙って切り取る撮影方法も試してみると良いでしょう。
【被写体1/7】マクロ撮影の定番!花を撮ってみよう
マクロレンズを買ったら最初に撮ってみたいのは、やはり花ですよね。花は身近な被写体で、種類も多く、主題としてわかりやすいので、初めてマクロレンズで撮影する被写体としては最適です。
マクロレンズで花の撮影(1)|1つの花をアップで狙ってみる
マクロレンズで花を撮影するコツとして、まず撮りたい花を1つに絞ることから始めてみましょう。たくさんある花の中から汚れや傷がないキレイな花を見つけて、その花を画面にしっかり収めます。
マクロレンズで被写体に近づくと、ピント合わせがとても大変です。オートフォーカスでピントがうまくあわないときは、マニュアルフォーカスに切り替えて、じっくりピント合わせに集中しましょう。
2,3枚でおしまいではなく、連写を使いながら何枚も撮影するのがポイントです。1つの花で数十枚は粘ってみて、自宅のパソコンで1枚1枚ピントを厳しくチェックしましょう。
マクロレンズで花の撮影(2)|背景を工夫してみる
マクロレンズで1つの花を狙うことができたら、背景にこだわってみましょう。同色の花のボケを利用したり主役の花が浮かび上がるように背景を選ぶのがコツです。
狙った花に光が当たっていれば、露出補正を思い切って-2EV、-3EVに設定して撮ることで、真っ暗な背景に主役の花が浮かび上がる面白いイメージを撮ることができます。
明暗差を利用する撮影として逆光を利用する方法もあります。
逆光で暗くなった花に対して露出補正を+2EV、+3EVと明るく設定して撮影してみましょう。透過光で美しく彩られた花が白く飛んだ背景とマッチした写真を撮ることができます。
マクロレンズで花の撮影(3)|上級者向け!群生を撮ってみる
1つの花を撮影することに慣れてきたら、ぜひ複数の花を一つの画面に収めて撮ってみましょう。
複数の花をバランスよく画面をまとめるのはとても大変です。コツとして、画面に流れをつくることを意識するとよいでしょう。
このとき、被写体に当たる光をうまく利用して、背景をシンプルに工夫できると、作品の魅力が高まりますよ。
【被写体2/7】マクロ視点で新発見!身近な小物を撮ってみよう
マクロレンズで撮りたい被写体として身近な小物があります。
こちらはお仕事で使っているハサミを撮った作例です。被写体にマッチした下地を用意して、上から大きなトレーシングペーパー越しに光を当てて撮影しました。
マクロレンズは被写体の質感を引き出すのに最適なレンズです。露出補正を丁寧に追い込んで、被写体が持つ質感を忠実に再現できるよう工夫してみましょう。
こちらは長年使った櫛を撮影した作例です。使い込んですり減ってしまった歯をマクロレンズの接写で表現しています。このように、マクロレンズで狙ったところにグッと近寄って撮影することで、被写体が持つ特徴をより強調して伝えることができます。
こちらは自宅にあった切子のクリスタルです。マクロレンズで特徴的な模様に近づいて撮影することで、まるで結晶成長のような幾何学的なパターンを撮影できています。
【被写体3/7】プロセスカットに挑戦!作業風景を撮ってみよう
次に挑戦したい写真はプロセスカットです。プロセスカットとは、作業過程(プロセス)の様子を収めた写真です。伝統工芸の職人さんの手元など、何の作業をしているか?がわかるように撮影するとよいですね。
マクロレンズは中望遠の画角なので、被写体となる人物から少し離れたところから手元のアップを狙うことができます。またグッと近づいて手元のアップも狙うことができるので、近づいたり離れたり様々なバリエーションを撮ることができます。
身近な例として、料理、編み物などご家族の手作業を狙ってみると面白いですね。
【被写体4/7】ファンタジーな世界を表現!水滴を撮ってみよう
マクロレンズで非日常的な写真を撮れる代表的なものが水滴です。
水滴写真を撮るには、背景や水滴の中の映り込みまで気を配って、よい水滴を見つけることから始めましょう。
周りのシチュエーション含めて、良い水滴を見つけたら、花の撮影と同じようにピントを慎重に合わせながら何枚も撮影して、ピントが合った1枚を選ぶようにしましょう。
屋外で思うような水滴が見つからない場合は、ご自宅で水滴を作ることもできます。
こちらの作例は、ご自宅で背景にお花を配置して、草のカーブの上に水滴とアリを配置したものです。狙ったところに水滴とアリがやってくるまで大変だったそうですが、面白いシャッターチャンスを捉えることができました。
【被写体5/7】マクロ表現で魅力を伝える!展示された美術品を撮ってみよう
美術館やデパートの催事場で開催される展示イベント。撮影が禁止されているケースもありますが、もし撮影が可能であればぜひマクロレンズで点実物を撮ってみましょう。
マクロレンズの中望遠の画角を活かして、展示物を画面いっぱいに収めたり、特徴ある場所をアップで撮ったり、様々な撮影方法を楽しめるでしょう。
ガラスケース越しの撮影になるのでガラスに反射した照明が写り込むことがあります。黒い布を使ってレンズの周りを覆うなど、写り込み対策を用意してくといいですね。
【被写体6/7】究極の質感描写!歴史ある建造物を撮ってみよう
歴史ある寺院など、年月を感じさせる建築物もマクロレンズが向いている被写体です。マクロレンズは被写体の質感を描写するのにとても向いています。古びた木肌、金具といった特徴的な部分に着目して、その素材感を大切に撮ってみましょう。
被写体の色は黒っぽいことが多いので、露出補正をアンダーに設定したほうが、質感をうまく表現できます。また朝夕の斜光が差し込んで、印象的な陰影がついたシチュエーションで撮ると、さらに作品性が上がります。
【被写体7/7】マクロレンズ1本でスナップしてみよう
カメラを持って街を撮り歩くスナップ撮影でもマクロレンズは向いています。シャッターチャンスを発見したら、中望遠の画角を活かして面白いと感じたシーンを切り取ってみましょう。
こちらは通りがかりの猫ちゃんの食事シーンです。ギリギリまで寄って被写界深度を浅くすることで、背景をぼかした印象的な作品になっています。
また、ありふれた風景でもマクロレンズでグッと寄ることで非日常的な写真に仕上げることができます。こちらは海辺で干されていたタコの足です。光の当たり具合やアングルを工夫して、タコの吸盤の質感が伝わるように撮影しています。
まとめ
いかがでしたか?マクロレンズで撮る被写体といえば、花が思い浮かびます。一方で、マクロレンズの特徴を活かすと様々な被写体から作品を作れることがわかります。ぜひ身の周りをマクロレンズの視点で見つめ直して、非日常的な発見を楽しんでくださいね。