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【おすすめ三脚】プロが教える正しい三脚の使い方と6つの裏技

 2018/09/06 三脚   209,579 Views

あなたは三脚の正しい使い方を知っていますか?

ここでは三脚の性能を100%引き出す、正しい三脚の使い方、
またプロカメラマンが現場で活用している三脚のコツを紹介します。

まずは三脚の部位名称をおさらいしましょう

三脚の使い方を紹介する前に、三脚の代表的な部位名称を覚えておきましょう。

・雲台、脚部

三脚は三本の棒で自立する脚部と、カメラを取り付ける雲台に分かれています。雲台は三脚の使い勝手を左右する、とても大事な部分です。

雲台には、かさばるけど構図をじっくり決められる3Way雲台、コンパクトで構図の自由度が高い自由雲台、ビデオ撮影用のビデオ用雲台があります。

三脚の各部位の説明 カメラ台 パン棒 開脚ストッパー

・カメラ台

雲台にカメラを取り付ける接点がカメラ台です。カメラを取り付ける方法として、シンプルなネジ式、素早く取り付けられるけどなくすと面倒なクイックシュー式があります。

・パンハンドル(パン棒)

3Way雲台の場合、カメラを上下、左右、斜め方向に固定するパンハンドルがあります。パン棒とも呼ばれています。通常は、上下方向に1本、斜め方向に1本の2本がついていて、左右方向はパンストッパーというツマミネジがついています。

自由雲台はパンストッパーのネジ1つでカメラの向きを固定します。ビデオ用三脚では、カメラの向きを固定するツマミネジとパンハンドル(パン棒)が独立して、パンハンドル(パン棒)は録画中にカメラの向きを変えるときに使います。

・開脚ストッパー

三脚の脚の付け根に開脚ストッパーがあります。このストッパーを外すと、三脚の脚をさらに広い角度で広げることができます。三脚の脚をより広げるということは、通常の角度に対してカメラの高さがより低くなります。

つまり、センターポール(エレベーター)とは逆に、三脚の脚を目一杯縮めたときの高さより、さらにローアングルで撮りたいときに使います。

三脚の各部位の説明 センターポール 脚ロック部 石突

・センターポール(エレベーター)

三脚の中央部にある棒はセンターポール(エレベーター)といいます。手の力で上下させるのがセンターポール、ギアが付いていてクランプで上下させるのがエレベーターです。

三脚の脚を目一杯伸ばしたけど、もう少しハイアングルから撮りたいときに、このセンターポール(エレベーター)を使います。

・脚ロック部

三脚の脚を伸ばしたり縮めるときに、接続部を緩めたりロックする部位です。脚ロック部には回転してロックするナット式と、レバーでロックするレバー式があります。

・石突

三脚の先端部分です。先の尖ったスパイクと丸いゴムがあります。使い勝手に合わせて取り替えることができます。意外となくすことが多い部位ですが、三脚メーカーに問い合わせれば予備がありますので安心してください。

これが正解!三脚を立てる正しい手順

三脚の手順1|カメラの高さを決める

カメラの高さを決める

いきなり三脚の脚部を伸ばし始めるのではなく、まずカメラの高さを決めます。遠景の風景写真ならカメラの高さを目の高さに合わせると撮りやすいでしょう。

三脚は伸ばせば伸ばすほど安定性が落ちてきます。必要以上に三脚を伸ばすと、風にあおられてカメラがブレたり、最悪カメラと一緒に倒れてしまうことがあります。

テーブルフォトや花撮影のようにカメラのアングルを変えると構図が全然違ってくる場合は、まずカメラだけでベストな位置を探しましょう。

その場所にカメラが固定されるように三脚の高さを決めると、三脚を立ててからのやり直しが少なくなります。

カメラを三脚に取り付けた状態で脚部の長さを変えようとすると、カメラのほうに重心があるので思わぬトラブルになります。

できるだけカメラを取り付ける前に高さを決めておいて、カメラを取り付けた後は少しずつ微調整だけするようにしましょう。

三脚の手順2|脚ロック部をゆるめて脚を伸ばす

脚ロック部をゆるめて脚を伸ばす、最後にしっかり締める

三脚の高さが決まったら、脚ロック部をゆるめて脚部を伸ばします。

このとき大切なのは、脚部の太い方から伸ばすようにしましょう。脚部の太さは三脚の安定性に関係します。

目一杯伸ばすときは問題ありませんが、途中の長さまで伸ばしたい場合、3本の長さを揃えるのが意外と難しかったりします。

そんなときは、まず1本を広げてから、ちょうどよい高さになるまでその1本を伸ばし脚ロック部をロックします。

そのあと、広げていた脚部をたたみ、残った2本の脚を伸ばします。すると、高さを合わせた1本を基準に、地面の高さまで伸ばせばよいので、素早く3本の高さを揃えることができます。

最後に、脚ロック部をしっかりとロックして脚の長さを固定します。

ロック部の締め付けが弱いと、カメラを取り付けた後にスルスルと脚が縮んでしまうので、脚ロック部はしっかり締め付けるようにしましょう。

三脚の手順3|脚をしっかり開いて安定した場所に立てる

脚を最後までしっかり開く

3本の脚の長さが決まったら、脚を広げて三脚を立てます。脚は開脚ストッパーで止まるまでしっかりと開いてください。

花の撮影など、ローアングルで撮影したい場合は、開脚ストッパーを外すと脚をより広い角度まで広げられるので、三脚の高さを低くすることができます。

三脚を立てる場所は、アスファルト、コンクリートなど硬いしっかりした場所がベストです。自然風景を撮影する場合、そうした場所を見つけることが難しいことがあります。

その場合、柔らかい落ち葉の上ではなく、大きめの石など少しでも安定した場所に石突きを置くようにしましょう。

三脚の手順4|カメラ台が水平になるように脚の長さを調整する

足場が凸凹していたら足の長さを調整する

自然風景の撮影では、地面が傾いていたり凸凹していたり、石の上に脚を置いたりと三脚を垂直に立てることが難しい場合があります。

その場合、三脚の脚を1本ずつ長さを変えて、カメラ台が水平になるように調整しましょう。

脚の長さでカメラ台を水平にしなくても、雲台でカメラの水平を整えることはできます。

しかし、カメラ台が傾いているということは三脚の重心が傾いているということなので、風や衝撃があったときに三脚が倒れてしまうことがあります。

三脚の手順5|カメラをしっかり取り付ける

三脚をしっかり立てることができたら、いよいよ三脚のカメラ台にカメラを取り付けます。

ネジ式の場合は雲台側にツマミが2つあるので、最初は下側のツマミを回して、その後で上側のツマミを回して固定します。クイックシューの場合は、レバーを最後まで動かして固定します。

いずれの場合も、カメラの取り付けが不十分だと撮影の途中でカメラが三脚からポロッと外れて落下する危険があります。カメラを取り付けたら完全に固定されているか確認するようにしましょう。

カメラを取り付ける

三脚の手順6|慎重に構図を決める

構図を決める

カメラを取り付けたら構図を決めます。3Way雲台の場合、上下、左右、斜めの方向について一つずつ角度を調整していきます。

画面の確認方法は、ファインダーを覗きながら、あるいはライブビューで背面液晶を見ながら調整します。

三脚の手順7|カメラの高さを微調整する

テーブルフォトや花の撮影のようにカメラの高さが構図に影響する場合、三脚の脚を伸ばしたり縮めたりしてカメラの高さを調整します。

エレベーターで簡単に調整することもできますが、安定性が弱くなるので、できる限り三脚の脚で調整することをおすすめします。

三脚の手順8|手ぶれ補正をオフにする

手ぶれ補正オンでブレた失敗写真

わすれてはいけないのが、カメラまたはレンズの手ぶれ補正をオフにすることです。

手ぶれ補正はカメラを手で持ったときの揺れ方を正しく補正できるように最適化されています。

カメラを三脚に取り付けると、カメラの揺れ方が手で持ったときと異なるので、手ぶれ補正が正しく働かなくなり、逆にブレ写真になることがあります。

最近のカメラとレンズには手ぶれ補正オンのままでも三脚で使える機種がありますが、安全のために手ぶれ補正をオフにする癖をつけたほうがいいですね。

三脚の手順9|レリーズを使ってシャッターを切る

レリーズを使ってシャッターを切る

ここまできたら、あとはシャッターを切るだけです。ここで、手でシャッターボタンを押してしまうと、その力でカメラが動いてしまって写真が台無しになってしまいます。

カメラに触らずにシャッターを切るアイテムがレリーズです。レリーズは2000円程度で購入できるので、三脚で風景撮影をされる方は必ず購入するようにしましょう。

レリーズがないときの代替手段として、セルフタイマーがあります。セルフタイマー2秒程度にセットしておけば、シャッターを指で押したときの揺れが収まってからシャッターを切ることができます。

プロが現場で使っている6つの三脚使いこなし術

三脚の正しい使い方についてお伝えしました。ここではプロカメラマンが現場で使っている6つの三脚使いこなし術をお伝えします。

1. ストラップをパン棒に巻きつけると落下防止になる

ストラップはカメラを首から下げて持ち運ぶアイテムですが、カメラを三脚に取り付けると不要になりますね。

そんなときは、カメラを取り付けた後に、ストラップを三脚のパンハンドル(パン棒)にくくりつけておきましょう。万が一、カメラが雲台から落下したときに、落下防止に役立ちます。

パン棒にストラップを巻き付けた写真

2. ストーンバッグで三脚の安定性が増す

三脚にはストーンバッグというアイテムがあります。三脚の脚、センターポールの下に取り付けるもので、文字通りそのへんに落ちている大きめの石を入れて、三脚の安定性を増すことができます。

石の他に、予備のカメラや交換レンズ、カメラバッグを置くこともできるので、足元の不安定な場所の撮影では便利です。

ストーンバッグにいろいろと載せた例

3. 縦位置の使い方、L字なら軸が安定する

カメラの向きには横位置と縦位置があります。通常、カメラは横位置で三脚に取り付けますが、雲台の角度を90度回転させることでカメラを縦位置にすることができます。

3Wayでカメラを90度傾けた写真

ただし、カメラを縦位置にすると、三脚の中心に対して外れた位置に重心がくるので、三脚が不安定になります。またカメラの位置が横に移動するので、構図を調整し直す必要があります。

そこで役に立つのが、アルカスイス互換のL字ブラケットというアイテムです。L字ブラケットを使うとカメラを横位置でも縦位置でもそのまま雲台に取り付けることができます。

すると、カメラを縦位置にしても三脚の中心にカメラの重心があるので安定しています。また横位置と同じポジションに縦位置でもカメラを置けるので、構図のやり直しが少なくなります。

L字ブラケットの縦横位置の例

4. カメラを逆につけて上を向ける

3Way雲台はパンハンドル(パン棒)が雲台にぶつかる影響で、カメラをある角度より上に向けることができません。

そんなときは、カメラを通常と逆方向に取り付けることで、真上近くまでカメラのアングルを向けることができます。

3Wayで逆に取り付けて上に向けた例

5. 三脚は手で持ち運ばずにカメラバッグに取り付ける

カメラを持って山を撮り歩くとき、三脚を手で持ち運んでいませんか?

手に三脚を持って歩くと、おもわぬひょうしにバランスを崩して、転倒&大けがをしかねません。

カメラバッグには三脚を取り付けるポケットやベルトがあります。こうした仕組みを使って、三脚をカメラバッグに取り付けてから移動するようにしましょう。

できればカメラバッグの中心部に三脚を取り付けるタイプの方が、左右のバランスがとれるので長距離を歩くときは有利です。

カメラバッグの中心に三脚を取り付けた例

6. ミラーアップを使う

三脚を使えば絶対に写真はブレない!と過信していませんか?実はカメラを三脚に取り付けても、シャッターを押すだけでブレてしまう「ミラーショック」という要因があります。

一眼レフはレンズから入った光の像をファインダーと撮像素子に振り分ける「ミラー」という部品があります。この部品はシャッターを押す度に、パカパカと動きます。

このミラーの動きでカメラが微妙に動くことで写真がブレることがあります。これを「ミラーショック」によるブレといいます。

特に、望遠レンズを使っていたり、シャッタースピードが1/30、1/60あたりが影響を受けやすい条件です。

この「ミラーショック」を防ぐカメラ設定が「ミラーアップ」撮影です。

ミラーアップ設定をONにすると、シャッターを1回押すとミラーが上がったままの状態になります。ファインダーが見えなくなりますが、そのまま2回目のシャッターを押すと、ミラーが上がったままの状態でシャッターが切れます。すると「ミラーショック」なしでブレのない写真を取ることができます。

せっかくカメラを三脚に取り付けて、レリーズまで使っているのであれば、ミラーアップの設定を忘れないでやっておくと万全ですね。

ちなみに仕組み上、ミラーレスでは起こりません。また一眼レフでもライブビューで撮影すればミラーが上がったままになっているので、ミラーショックは起こりません。覚えておくといいですね。

ミラーアップの液晶設定画面キャプチャ

雨に濡れたときの三脚のメンテナンス方法

屋外で三脚を使うと、雨や夜露で濡れることがあります。そのまま三脚の脚を収納すると、内部に水分が残ったままになってしまいます。

できれば乾燥した場所で、三脚の脚を全て伸ばして、水分が完全になくなるまでしっかり乾かしてから片付けるようにしましょう。

しばらく乾かして表面が乾いたように見えても、パイプの中にはまだ水分が残っていることがあります。できれば「全ての段を伸ばす⇔縮める」の動作を複数回おこなうと良いでしょう。

濡れた三脚を立てて乾かす

三脚のルールとマナーを守って気持ち良い撮影を!

ここまで三脚の使いこなし方を紹介してきました。三脚は思った以上に周りの人からすると存在感があります。

最近、増えているのが三脚によるトラブル、その結果として三脚禁止という処置が増えています。

花の撮影では、三脚の脚が花壇に入らないように注意する。鉄道写真ではホームで三脚を使わない。など、基本的な撮影ルールをしっかり守った上で、三脚の撮影を楽しみましょう。

まだ三脚関連の記事をご覧になっていない方は、こちらから。

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