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f値(絞り値)の基本とシーン別おすすめ設定

 2017/03/09 初心者|一眼レフの基本 露出   275 Views

一眼レフを勉強し始めた方の最大の挫折ポイントがf値(絞り値)です。2.8とか5.6とか見慣れない数字に戸惑っている方もいると思います。ここではf値(絞り値)の基本を解説して、すぐに使えるシーン別のおすすめf値(絞り値)設定を紹介します。

「絞り」はカメラに入る光を制限する仕組み

「絞り」と聞いてもどんな仕組みかピンとこないと思います。まずはこちらの画像をご覧ください。

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カメラの「絞り」は、このように何枚も重なった金属の板で中央の穴を大きくしたり小さくする仕組みになっています。

f値(絞り値)とはこの「絞り」の「穴の大きさ」を数字で表したものです。

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「絞り」はカメラに入る光を制限する仕組みです。穴を広げると光をたくさん通し、穴が狭めると少しの光しか通さないことがわかりますね。

また一般的な呼び方として、穴を広げることを「絞りを開ける」または「f値(絞り値)を小さくする」、穴を狭めることを「絞りを絞る」または「f値(絞り値)を大きくする」といいます。まずはこの呼び方だけ覚えてしまってください。

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  • 開ける → f値(絞り値)小さい → 穴が広い → 光がたくさん入る
  • 絞る → f値(絞り値)大きい → 穴が狭い → 光が少ししか入らない

これが「カメラに貯める光の量をコントロールする仕組み」の1つ「絞り」の基本です。

f値(絞り値)を変えるとボケが変わる!を体感しよう

f値(絞り値)はカメラに入る光の量をコントロールすると同時に写真の印象を大きく変える効果があります、それが「ボケ」です。

これは実際に試してもらうとよく実感できます。まず小さな穴の開いたカードや紙を準備してください。紙につまようじで穴を開けるか、使用済みのプリペイドカードがよいでしょう。

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次に片目をつぶり、数十cmほど目の前にあるものに焦点を合わせてください。焦点を合わせると、遠くにある部屋の壁がボケて見えると思います。

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その状態で、さきほど用意した小さな穴が空いた紙かカードをを目の前に持ってきて、穴ごしに見てください。

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すると、さっきに比べて背景がくっきりと見えると思います。このように小さな穴を通して見ると、背景のボケは小さくなります。これをカメラ用語で「被写界深度が深くなる」といいます。

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f値(絞り値)を変えるということは、穴の大きさを変えることなので、写真の仕上がりとして背景のボケ具合が変わります。

一眼レフならではの大きくボケた写真を撮りたいなら、
絞りを開け、f値(絞り値)を小さくして、光が通る穴を大きくする。

逆に、手前から奥までしっかりピントを合わせたいなら
絞りを絞り、f値(絞り値)を大きくして、光が通る穴を小さくします。

大事なポイント「絞りでボケ具合をコントロールできる!」覚えておきましょうね。

f値(絞り値)を自分で選べるようになれば一人前

このようにf値(絞り値)はカメラに入る光の量だけでなく、写真のボケ具合までコントロールできます。

写真の表現において、ボケ具合は非常に大事です。例えば次の写真を見てください。

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絞りを開け、f値(絞り値)を小さくして、ボケを大きくした写真は優しく柔らかい印象を与えます。一方で、絞りを絞って、f値(絞り値)を大きくしてボケを小さくした写真はカッチリとした印象を与えます。

花の写真や人物撮影では背景をボカしたいことが多く、風景写真では画面の隅々までピントを合わせたいことが多いです。自分がどんな写真を撮りたいか?をイメージして、f値(絞り値)を自分で選べるようになれば一人前ですね。

代表的なf値(絞り値)を覚えてしまおう

f値(絞り値)をコントロールするには数字が必要です。f値(絞り値)はf2.8とかf8とか見慣れない数字で表されているのでまずはこの数字について解説します。数字と聞くと苦手意識があるかもしれませんが、簡単な数しか出てこないので安心してくださいね。

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1、2、4、8、16… とわかりやすい数字が並んでいます。隣に移るにつれて、数字が2倍ずつ増えていますね。これが代表的なf値(絞り値)です。

なぜ数が2倍ずつ増えているかというと、カメラに貯める光の量を2倍または半分単位でコントロールするからです。身の回りの明るさは非常に広い範囲にわたるので、2倍、4倍、16倍、32倍…と倍々で考えたほうが便利なのです。あとで「シャッタースピード」と「ISO感度」という言葉がでてきますが、これらも2倍、4倍、16倍、32倍…と倍々で考えますよ。

さて、1、2、4、8、16… と代表的なf値(絞り値)がありますが、この間を埋める数字を付け加えてみます。

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すると、1.4、2.8、5.6、11…が付け加わりました。こちらも隣に移るにつれて、2倍で増えていますね。この数字を合体させると、よく使う代表的なf値が出てきます。

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1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、… この数字はレンズのカタログなど、どこかで目にしたことがある数字ですね。

このf値(絞り値)を隣に動かすと、「絞り」の穴の面積が2倍または半分になります。つまりカメラに入る光の量が2倍または半分になります。

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たとえばf2.8からf4にすると、カメラに入る光の量は半分、逆にf8からf5.6にすると、カメラに入る光の量は2倍になります。

数字が1つ隣に写ると光の量が2倍、2倍と移っていくので、f2.8からf8まで3つf値(絞り値)を変えると、カメラに入る光の量は、1/2×1/2×1/2=1/8倍になります。

まずは「代表的なf値(絞り値)の値を覚えてしまう」こと!次に「f値(絞り値)を1つ隣に動かすと、カメラに入る光の量が2倍または半分になる」ことを覚えてくださいね。

【マメ知識】なぜf値(絞り値)は変な増え方をするの?

f値(絞り値)の増え方を見ると、1.4 → 2 → 2.8 → 4 と中途半端な増え方をしています。いっそのこと2倍ずつ増えればスッキリするのに、なぜこのような増え方をするのでしょうか?この理由を説明します。

絞りを通過する光の量は、絞り穴の面積で決まります。一方で、f値(絞り値)は絞り穴の直径(有効口径)を表しています。絞り穴=円の面積は半径×半径×3.14なので、

  • f値(絞り値)× f値(絞り値)× 3.14 ∝ 光が通過する量

となります。つまり、カメラに入る光の量は、f値(絞り値)の2乗に比例します。

f値(絞り値)が√2倍になれば絞り穴の面積が2倍、f値(絞り値)が2倍になれば絞り穴の面積が4倍になります。なので、f値(絞り値)は√2=1.4倍ずつ隣に動くというわけです。

昔のカメラはレンズで絞りを変えていた

いまの一眼レフはf値(絞り値)をダイヤル操作で変えるのが一般的ですが、昔のカメラはレンズのリングを手で回してf値(絞り値)を変えていました。

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ここに書かれている数字は、さきほどの代表的なf値(絞り値)そのものですよね。昔はこのように代表的なf値(絞り値)を確認しながら自分で選んでいたので、直感的にわかりやすかったですね。

すぐに使えるケース別おすすめf値(絞り値)設定

初心者でもすぐに使える、f値(絞り値)設定の目安を紹介します。

f1.4~f2.8 | ボケを大きくしたい、暗いところで手持ちで撮りたい

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f1.4~f2.8は一眼レフで設定できるf値(絞り値)として、かなり小さい数値です。背景のボケ具合も相当大きくなるので、積極的にボケを大きくしたいときに使うf値(絞り値)です。

設定可能な最小のf値(絞り値)はレンズによって違います、これを「開放F値」と呼びます。カメラを買ったときについてくるキットズームレンズの開放F値は3.5~5.6が一般的なので、
f1.8~2.8までf値(絞り値)を小さくすることはできません。そこで、開放F値が1.8~2.8となる単焦点レンズや、高価なズームレンズを使うことで、この範囲のf値(絞り値)を使って背景を大きくボカした写真を撮ることができます。

また、カメラの入る光の量をめいっぱい増やせるので、暗い場所で手持ちで撮りたいときに使います。

f4~f5.6 | シャッターチャンスを優先したい

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f4~f5.6はバランスがとれたf値(絞り値)でキットズームレンズの開放F値はほとんどがこの範囲です。ボケとシャープさがほどほどに調和した写真が撮れます。また、カメラに入る光の量もそれなりに多いので、手持ちでもブレることが少なくなります。

スナップ写真のようにシャッターチャンスを探すことに集中したいときは背景がボケすぎず、かつ手持ちでもブレの心配がないf4~f5.6を使います。

f8 | 風景などをシャープに撮りたい

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風景写真などとにかくシャープに撮りたいときはこの範囲を使います。詳細はレンズの収差で解説しますが、一般的にレンズの性能を最も引き出せるf値(絞り値)がこのf8です。f8ではカメラに取り込む光の量がかなり少なくなるので、手ブレが起きやすくなります。したがって、風景写真をf8で撮るときは三脚を使ってカメラをしっかり固定することを忘れないでください。

f14~22 | 光芒を出したい、ボカしたくない、スローシャッターで撮りたい

f14~22はめいっぱいf値(絞り値)を大きくした設定で、特別な意図があるときに使います。

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スローシャッターで「光の軌跡」や「水の流れ」を表現したいときに使います。

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手前から奥までしっかりとピントがあった写真「パンフォーカス」を撮りたい場合に使います。

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キラリと光る「光芒」はf値(絞り値)を大きくすればするほどハッキリ出てきます。

この範囲ではカメラに取り込む光の量が相当少ないので、手持ちで撮影するとブレブレ写真を量産してしまいます。カメラを三脚にしっかり固定してから撮ることが必須ですね。

まとめ

  • 絞りはカメラに入る光の量をコントロールする
  • 絞りを開ける → f値(絞り値)小さい → 穴が広い → 光がたくさん入る
  • 絞りを絞る → f値(絞り値)大きい → 穴が狭い → 光が少ししか入らない
  • 代表的なf値(絞り値)1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16… を覚えてしまう
  • f値(絞り値)を1つ隣に動かすと、カメラに入る光の量が2倍または半分になる
  • 絞りでボケ具合をコントロールできる
  • 撮りたい意図に合わせて最適なf値(絞り値)を選ぶ

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